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立山、雷鳥沢の星空、2024年夏。

3年ぶりに、大好きな場所、立山の雷鳥沢キャンプ場で、めいいっぱい「夏休み」をしてきた。
世界一周を共に旅した相棒のカメラGRを連れて。
何度目かの立山だが、初めて天気に恵まれた。いつもほとんど雨か雷雨続きだったから、そういう覚悟でやってきたし、寒さや雨対策をしてきたのだが、今年の立山は見事な晴天続きで、正直昼間は予想していたよりも暑くて、勝手に少しがっかりした。寒くないじゃないか。寒さを味わいたかったのに。20℃って普通に暑いな。
とはいえ、日が暮れると一気に気温が下がりダウンジャケットを羽織ることとなる。この寒さが懐かしくてたまらなく嬉しかった。



晴天続きということは、夜も、空に雲がない状態が期待できる。
星座のことが分かりたくて、「あの星座は○○座で・・・」「あれとあれをつないだら、夏の第三角形で・・・」など、空を指差して、うんちくを語れる大人になりたくて、今回、星座早見盤を買って持参。

キャンプ柄の星座早見盤!


しかし、使い方や見方が難しくて、テントの中で手こずっていた。訳が分からない。
とりあえず、空を見てみるか、と思ってテントの外に出てみて、「うわあ」と思わず口に出してしまう。

「うわああああ」

星がありすぎて、全く星座がわからない状態。
北斗七星とそれから導き出される北極星だけはかろうじて見つけられたが、あとはさっぱり分からない。
3年前の自分のnoteを見てみたら、やはり3年前も北斗七星だけは自信を持って見つけていた。3年間の成長がないけれど、それだけ、学校で習って子供時代から見上げて何度も探してきた北斗七星というものは、特別なのかも知れない。北斗の拳にも感謝である。

ところで、3年前はテントは10張くらいしかなかったのに、今年の雷鳥沢はテントがひしめきあっている。コロナ禍が終わったのを実感する。
満員御礼くらいのテント数だったが、それでも敷地も広いし、窮屈な感じはせず、登山に備えて、さっさと静かに眠りにつく人が多い印象。
私を含め数人だけが、三脚を持って星空撮影を静かに楽しんでいた。


北斗七星!
北斗七星のうちの6つ
キャンプ場、こちら側は混んでます。


今年もはっきりこの目で見つけられたもの。それは空を大胆に貫くような天の川。
宇宙を感じてしまう。
GRでも、なかなかよく撮れる。他の星空カメラマンたちのカメラはとてつもなく長いレンズをつけていたり、いい一眼レフカメラを持っておられる。GRの小ささに私自身も改めてびっくりするが、この手軽さこそが、私が一番気に入っているポイントである。
光の加減が、まだまだ素人の私には難しいので、テントが強烈に発光する物体になってしまっているが、別に気にしない。
F2.8~8までいろいろ試して、露光25秒、ISO3200くらいで絞り優先で設定して撮影してみている。
25秒待っている間に、空を見上げてこの目で星空をじっと見る。
25秒後、撮影が済んだら、カメラのモニターに撮影された星空を見る。
空とモニターとで毎度2回感動している。
この星空を見るためだけでも、ここでキャンプする価値はある気がする。
またこの場所に戻ってこられて、星空を見上げられたことは感慨深い。コロナ禍を越え、世界一周を終え、また戻ってきたのである。あっという間の3年間だった。
そして個人的には、GRで撮影できていることも感慨深い。
一緒に色んな国を旅してきたカメラGRが、マチュピチュの前日に急に故障して動かなくなってしまったこと、それ以降は全てiPhoneのみの撮影になったことが、私の世界多分一周旅で、最大にショックで残念な出来事だった。2回同じことを書くけど、マチュピチュに行く日の前日に壊れたのである。このタイミングは信じられなかった。
本当は、旅で一番感動したパタゴニアで見た星空、南十字星や美しいフィッツロイの山を、このGRで撮りたかった。最大の後悔である。


しかし、帰国して、GRを修理してもらい、また再び一緒に旅をして、雷鳥沢で星空を撮れたことが、自分の中で大きい。とても嬉しい気分である。
それくらい、私にとっては、このカメラは特別なものになっているんだなあと思った。使いづらいし、ピントも上手くいかないことも多いし、自分のテクニックがついていってないところも、一筋縄でいかないところも好きである。好きなカメラと旅するのは楽しいなと実感したし、久しぶりの星空撮影も夢中になれて、とても楽しかった。お気に入りのものと旅する楽しさ。目の前の景色を切り取る楽しさ。GRでパパッと撮れてしまう気楽さ。何かに没頭する時間。全てが私の旅を、輝かせていた気がする。
そんな気持ちで見上げた星空。

ヘッドライトをつけた人がトイレへと歩いて行ったのが、火の玉みたいになった。
そして朝。日の出前。



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のりまき
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