奈良吉野へ MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館
関西人は、秋と言えば京都へ紅葉狩りみたいなノリがあるのだが、人が多いのが嫌なので、そういう時は奈良派な私である。
奈良でこういう面白そうなことが行われているようなので、吉野へ行くことにした。
「MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館」
写真を撮ってゆっくり歩きたいなと思ったため、一人で来てみた。
滅多に乗らない近鉄電車で吉野駅まで。
例のごとくお寝坊さんなので、お昼過ぎに吉野駅到着。
往復の電車賃が2000円くらいするところを、1000円の近鉄電車1日乗り放題きっぷを買った。
終点の吉野駅から歩き旅スタート。
里山の道沿いにいろんなお店があって楽しい。
吉野駅前で「MIND TRAIL」の地図をもらい、今日は順番に沿って歩くことにした。
ハイキングコースの道中にぽつりぽつりとアート作品が展示されているらしく、楽しそうである。
という訳で1つ目のアート。
「小さな観測所」
この三角錐をこの後予想以上に目にすることになるとは知らず、始まりにワクワクしていた。
QRコードを読み込むと「この作品に必要以上に意識を向けないで下さい。足を進めましょう」という作品解説だったのでそれに従おうと思う。
金峯山寺の蔵王門、絶賛改修中。
そんなに紅葉していない山。でも気持ち良い。
吉水神社へ。
21世紀に残したい日本の風景、花の部門第一位らしい風景。
吉野山は桜の名所で、ソメイヨシノって名前になるくらい吉野イコール桜。
春はピンク色に染まるこの山。一目千本。
秋なので枯れた桜の木が山いっぱいに広がっていたが、私は結構好きである。
心の目では千本の桜が満開であり、現実のこの目ではくすんだ枯れ木の美しさが広がっていて、味わい深くて良い。
胃腸薬の陀羅尼助。頭痛持ちなので日々頭痛薬と仲良しであり、陀羅尼助は飲んだことはない。そんな私でも知っている有名なお薬である。
さて、次の作品。
「およぐみどり、とぶみどり」
陀羅尼助のカエルと関連してるのだろうか。
よく分からないけど、夜に見たかった。
勝手神社。
私のための神社かも知れないと思うと、勝手神社のフォントが可愛く見えてきた。
これも何かのアート作品だった気がする。片手だけ私も出演。
このストーブの光が虹色であまりに素敵だったのでアート作品だと思ったら、ただの民家の玄関に置かれたストーブだった。
森の中へ進む。
矢印の道標があると何色であれワクワクしてくる人。
昼ごはんは途中で食べたのだが、さっそくまた休憩。
五郎平茶屋。
桜の季節には素晴らしい眺めのようだ。後醍醐天皇とかがお茶会をしたとかどうとか。桜を見ながら後醍醐天皇のヴァイブスもぶち上がったことだろう。
ここでもGOOD VIBESセット。
すぐそばに「森の中の図書館」を発見。
旅をする木とか、安達祐実の本とか。
味噌汁であったまったので、さらに深く森の中へ。結構な登り坂にへばりながらゆっくりと。
菊まつりが行われていた如意輪寺にて。
難を切るってことでナンキン(かぼちゃ)がお供えに。いにしえのダジャレはセンスが良い。
そしてそして、「小さな観測所」があちこちに。
土曜なのに人が全くおらず、観測所の三角錐の方が圧倒的に多く、シュールな映画のよう。
森の中に何か見えてきた。
「吉野杉が住む空間に帰ってきた 先人とともに子孫の成長を見上げてみる」という作品。
杉の切り株と繋がっていた。
見上げた顔が少々変顔なのが良い。
また森の奥に何かが見えてきた。
「人間の家」
Tシャツなどのハギレのパッチワーク。
曼荼羅のように見えてくるのが不思議。
ここにも「森の中の図書館」が。
ゆっくり読みたいけど日が暮れそうなので急ぐ。
吉野の柿をお土産に買った。
そして私の神社の私の桜へ。
秋の夕暮れ。
フレームのような休憩所からの景色。
「千本のひげ根」
杖に使っても良い作品。
千本桜で有名な吉野の秋は枯れ具合が良かったし、人が少ないところも、日暮れの寂しさもまた良かった。
そして、「心のなかの美術館」の番外編の「おなかの中の美術館」編。
素通りできないアート作品をつい。
夕暮れの黄金色の景色に合う鮎。
玉こんにゃく。
五平餅。
焼き芋。
MIND TRAILは11.5km歩いて終了。
現代アートは理解しにくいところもあるんだけど、理解するものではないんだろうなぁ。少しでもワクワクすればきっとそれで正解のような気がする。
「MIND TRAIL 奥大和 心のなかの美術館」では、展示されたアート作品じゃない生活品や自然の風景にこそアートを感じたりして。
良い時間だった。
ここから吉野神宮まで歩いて20分。
ただいま16:30。
真っ暗になるまでに間に合うか微妙なところで、さて、どうしようか。
いちかばちかで寄り道して帰ることにした。