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4年ぶりのコンク!【世界多分一周旅 ルピュイの道2023②】
旅の続きをようやく。
2022年12月~2023年11月に世界をぐるりと旅した「世界多分一周旅」の途中の、歩き旅「ルピュイの道」の記録。
2019年の春に、フランスの「ルピュイの道」を歩く旅をして、コンクという町でその年は終了。
2020年の春に、コンクから続きを歩く予定だったが、コロナ禍で行けず、4年の年月が流れ、2023年にようやくコンクに戻って来られたので、その旅の続きを。
2019年のコンクのnoteはこちら↓
そして2023年に戻ってきたのがこちら↓
「ルピュイの道」という名の巡礼路を歩く旅のnoteはこちらにまとめています。↓
コンクの町にバスでなんとか辿り着いたが、4年ぶりの感動はそれほどない。
以前は歩いて旅をして、山を越えて、山の中から突然見えたコンクの教会に非常に感動をしたのを覚えている。今回は、飛行機、列車、夜行列車、そしてバスと乗り物をさまざま乗り継いできたので、はるばる来たぞ感はなくもないが、歩いて辿り着いた時の感動の足元にも及ばない。
それでも、石畳の道を歩きながら、4年前にアルたちと乾杯した「St Jacques」という名のバルの横を通り過ぎ、ジャックとティエリと最後の夜を過ごした教会の隣の修道院に辿り着いた時は、戻ってきたなという懐かしい気持ちが込み上げてきた。
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2023年は別の巡礼者で溢れていた。
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今回は、ちゃんと修道院の宿泊をメールで予約していたから、安心である。
修道院にチェックインできる時間まで、中庭で待つよう言われ、中庭にバックパックを下ろしベンチに座った。
前に並んでいた男性の横顔が私の父親にそっくりで、「オヤジ!」と言いそうになったが、父と違って非常に品のある優しい笑顔のフランス人だったので、「パパ」と呼びたくなった。パパの笑顔は、私のオヤジと違ってとてもかわいい。
それから、日当たりのいい場所に置いてあるテーブルで、ハビエル・バルデムにそっくりの男性が、ミニコンロで湯を沸かし始めた。
彼の使っているコンパクトなキャンプギアが、日本で見たことのないもので、かなり気になる。どうしても気になり、近くに寄って声をかけ、見せてもらった。ハビエルは、テントを持って歩くフランス人の旅人で、テントを張れない町では修道院やジット(宿)に泊まるけれど、基本的にはテントで泊まるつもりらしい。
私もキャンプが好きなことを伝え、ギアやバックパックの重さについてお互いに語り合った。初対面から、私の大好きな「荷物の重さについて」というテーマで語り合えるのは、嬉しいものである。
ハビエルが、会話の中で「今フランスは、クリスチャンにとっての大型連休中」と言ってから、「そういえば、明日以降のジットの予約も、君はもちろんしてるんだよね?大型連休だから予約を取るのも大変だったんじゃないか?」と聞かれて固まった。
え?
宿の予約は、今日の分しかしていなかった。
4年前も、当日か前日に出会ったフランス人に助けてもらって、フランス語で予約してもらうスタイルで何とかなったから、今回もそんな感じかなーなんて、生意気な他人任せな気持ちでやって来てしまった。
「えっと。予約してないよ。」と私が言ったら、ハビエルが「君はテント持ってないよな?一体どうするの?野宿?」と真顔で言う。
えらいこっちゃ。
どうしよう、どうしようと軽く私が騒ぎ始めたので、先ほどのパパが心配して近寄り、フランス語でハビエルに尋ねて何やらフランス語で2人が語り合ってから、ハビエルが私に英語でこう言った。
「すぐ近くのツーリストインフォメーションに行って、リストにあるジット(宿)全てに電話してもらって、ベッドが空いてないか聞いてもらえ。きっとどこか、1つくらいは空いているはず。急いだ方がいいよ。」とのこと。
なるほど!
メルシーボークー!
ハビエルとパパに私の荷物の見張りを頼んで、ツーリストインフォメーションに走った。
ツーリストインフォメーションで、明日歩いて行って泊まろうかなと思っていた町の宿のリストを上から順番に、片っ端から電話してもらったが、「満室です」の連続。ガイドブックに載っている宿は、コロナ禍以降閉めていたり、そもそもやっていなかったりした。
日本で言うゴールデンウィークみたいなものだろうか。「巡礼路沿いのどの町でも村でもいいからどこか泊まれる所を聞いてみて」と頼み直した。しかし、そもそも小さい町や村の連続なので、宿の絶対数も少ない上、クリスチャンの祝日が並んでいる春なんて、そりゃ大勢でキリスト教の巡礼路を歩きに来るだろう…。
絶体絶命のピンチ。
しかし、インフォメーションのお姉さんが持っている最新の宿のリストの1番下に書かれた宿だけが、広めの個室が一室空いていることが分かった。有無を言わさず「そこ!キープして!」と頼む私。
しかも、お姉さんの交渉により、狭い方の部屋の料金と同じ料金で広い唯一空いている部屋を予約してもらえた。
ふー、一安心。
お姉さんは、「連休が続く明後日の宿も、今押さえといた方がいいわよ」とアドバイスをくれた。そうだよな、明日またヒヤヒヤするのはごめんだ。大体1日に20〜30kmくらい歩くから、その町から20〜30km先の村の宿を、電話であたってもらうよう頼んだ。
こちらも5軒ほど電話をかけてもらって満室だと断られたが、何とか1軒空いている宿が見つかり、予約してもらった。
あまり先まで予約をして予定を固めたくなかったのだが、ここは安全策をとった。お姉さんは、「明後日以降は連休も終わるから、多分こんなにどこも満室ということはないと思うし、その都度、またその村のツーリストインフォメーションに寄って、予約を頼んでみたらいいよ」と言ってくれた。メルシーボークーの連発である。
ルピュイの道の巡礼路は、これまでの旅と違って、booking.comで適当に探して見つけるといった形はなかなかとれない。家族でこじんまりやっている宿だったり、修道院だったりするので、巡礼者同士で情報交換をしたり、村の人やインフォメーションの人に聞くのが確実である。
久しぶりのカミーノの旅で、その辺りを再確認できて良かった。
修道院に戻って、パパとハビエルに無事予約がとれたことを報告。ハビエルには、「一緒にテントでキャンプかなーって楽しみにしてたのに」と笑いながら言われた。そして3人で、今夜のお宿、コンクの修道院にチェックインをした。
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修道院っていうと、映画「天使にラブソングを…」「サウンド・オブ・ミュージック」を思い出す。ここで、ウーピー・ゴールドバーグ、もしくはジュリー・アンドリュースになって、走り回りたい願望。
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修道院の窓口で、巡礼手帳のクレデンシャルを出す。ルピュイの道を歩く旅では、歩いて旅しながら、宿泊した村や町、教会や宿でスタンプを押してもらう。その巡礼手帳のスタンプは、2019年4月30日、コンクで中断している。
修道女の方が、私のクレデンシャルを見てニコッと微笑んで、2019年4月30日の隣に同じスタンプを押して、「4年後ね」と言って、23年5月3日と記入してくれた。
4年後、私のルピュイの旅の再開である。
バックパックに、これまでフランスとスペインを1000kmほど、私と一緒に歩いてきた貝殻(巡礼者の証)をくくりつける。縮めて畳んで収納してきた青のポールも延ばして、いよいよ明日から巡礼者として歩き始める準備完了。
これだけでウキウキする。
サッとシャワーを浴びて、巡礼者のみんなで食べるディナーまで少し時間があったので、コンクの道をゆっくり散歩した。
世界遺産でもある11世紀に建てられたサント・フォア教会、中世の雰囲気の残る石畳の小路、石組みの民家。
山に囲まれて取り残された村だからこそ、このままの形で残されているのだろうか。少し散歩をするだけで、中世に迷い込んだ気分になれるから、やっぱりここは魔法の村だと思う。
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夜のディナーとミサに続く・・・
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