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【大学入試小論文】日本の教育について

日本の教育は、戦後の急速な発展を経て、今日では高度な学力水準や豊富な教育機会を誇る一方、多くの課題も抱えています。いじめや教育格差、働きすぎる教員の問題、そしてデジタル化やグローバル化への対応など、日本の教育制度が直面するこれらのテーマは、大学入試小論文でも頻出のトピックです。

日本の教育について

本記事では、「日本の教育」に焦点を当て、小論文で問われる可能性の高いテーマやその背景、具体的な論述のポイントを解説します。入試で求められる論理的な思考力や問題解決力を磨きながら、日本の教育が抱える現状や未来を深く考えるきっかけにしてみましょう。

教育問題の原因

家庭での急激な「しつけ」の低下においては、親自身に、挨拶をしない。我が子しか見ず自己中心的・叱らない・過保護・虐待放任・気分任せなどの現状が見られます。

また、核家族化が進んで地域とのつながりも希薄になり、テレビゲームの普及や塾・習い事のために子供達の集団遊びが減り、他者との関わり方や集団でのルールを体得することができなくなった。子供が日々社会から受けるメッセージの影響。

教育内容の問題と原因

学校での教育が、よりよく生きる方法を実践的・具体的に学習できる内容になっていない。「これを学んでも生活の役に立たない」という理由から、教科内容に興味を失っていく生徒が多い。

また、生徒の価値観や能力の多様化し頻発する問題行動に合わせた授業形態・クラス編成になっておらず、旧態依然の教育システムである。現場や専門家が1クラス20人学級を求めているが、まだ実現には至らない。

さらに、生徒が自ら課題を探し、解決に向けて工夫して取り組むというような自主性を伸ばす授業内容ではなく、暗記中心の授業のため、判断力・創造力の育成につながらない。

ゆとり教育の是非

小・中学校で誰もがじっくりと基礎をマスターし、高度な勉強は高校・大学や自主的な家庭学習に期待するという意図で授業時数・教科内容の削減とゆとり教育の導入が過去に行われた。

実際には、ゆとりが出たぶん家庭でテレビを見る時間が長くなっただけであったり、習熟が早い子は退屈して学ぶ意欲が減退したりし、今は、 ゆとり教育の弊害を取り戻すべく、学科授業数を増す流れに戻りつつあるが、学力には個人差が残る。

全体的な学力低下につながったとの指摘がある。

初等・中等教育の二つの理念

日本の初等・中等教育の最大の問題点は、集団性の強い管理教育だ。教育には、大きく分けて二つの理念がある。

一つは「国家を発展させるような、社会性を備えた健全なおとなにすることこそが教育の目的だ」という「よい社会人を作るための教育」という理念

もう一つは「社会のための教育ではなく、その生徒自身の将来のための教育をすべきだ」とする「個性を育てるための教育」という理念

日本の教育

日本では伝統的に「よい社会人を作るための教育」という理念による教育がなされてきた。そのため、厳しい校則、坊主頭、服、みんな同じ給食、おそろいの体操服、連帯責任といったことが重視されてきた。集団性からはみ出す個性的な生徒を集団性のなかに引き戻そうとすることも行われた。

また、この理念に基づいて、日本の教育では、何よりも平等が視される。飛び抜けた存在を認めようとしない。 「みんな同じ」という考えが強い。そのため、成績のよい子も、悪い子も平等に扱われる。

欧米の教育

これに対して、欧米の教育は統的に、個性重視の理念に基づいていると言われる。だから、欧米では、飛び級(優秀な生徒は、たとえば、一年生が二年生を飛び越して二年生になれる)や、能力別クラス、留年が日常的だ。

集団からはみ出すところがあっても、それを個性として認める傾向がある。 ただし、反面、集団性が養われず、エリート教育になる恐れがあり、学校によっては暴力ざたが絶えない。

今後の教育

  • 学校だけが孤立して教育を担うのではなく,地域社会・保護者が学校に参入し、三者一体で子供を育てる

  • 欧米で成功している教育システムの導入

  • 最初に、「静かに行動すること」 「礼儀正しさ」を強く教え込む

  • ルールが守れなければ体育などの好きな授業を受けさせず、「授業妨害=自分達の学習を奪うこと」と体感させる

  • 騒ぐ子はすぐカウンセラーに任せる

  • 20人学級の実現。先生を囲み, 生徒が課題を探して自主的に調べ, どんどん質問する形式をとる

などが挙げられる。

教育内容の変更

実生活や人生に直結した教育内容にする。例えば、洗濯・料理・健康・環境などについて、すぐに役立つような専門知識を教えていく(家庭科・理科など)。

また、民間のテーマパークで、スタッフの指導のもとに、ファーストフードの店員・消防隊員・警察官などの役割を、本当の社会そっくりにやり、そのパーク内で、様々な職業と社会体験ができ、パーク内で使える給料も、もらえる所がある。楽しい「自分の職業探し」の授業形式として教育にも取り入れていくという案もある。

教育内容であれば学ぶほど自分の人生が豊かになっていくので、学ぶ意欲の向上や一つずつ積み上げていく人生の尊さを体得できる。それが他人の積み上げてきた人生に敬意を払うことにもつながっていくともいえる。

ボディランゲージ(身体による表現)を含めたコミュニケーション能力の育成」を授業に取り入れる。 「異なる年齢の生徒が集まり、みんなで自治のルールを作って実践するなど、協調性や連帯感が身に付くような「公感覚(=公共心)」が育つ授業を盛り込むなどの案もありそうです。

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