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【高校生物基礎】原形質流動

植物細胞の中で、まるで生命が動いているかのように観察される「原形質流動」。これは、細胞内の液体部分が流れる現象で、物質の輸送や代謝活動に重要な役割を果たしています。この動きは生命のダイナミズムを感じさせるだけでなく、細胞の働きを深く理解するための鍵でもあります。本記事では、原形質流動の仕組みや観察方法、さらにその意義について詳しく解説します。生命活動の一端を覗いてみましょう!

原形質流動

原形質流動は、細胞内部の原形質が流れるように動く現象です。これは生きた細胞のみで観察でき、エネルギーを消費する現象であり、温度が低くなると速度が遅くなります。

葉緑体の観察

液体の動きを直接観察することは難しいので、液体の流れに乗って流れる葉緑体に注目します。葉緑体を使う理由は、色がついていて観察しやすいからです。

  • 葉緑体…光合成が行われる緑色の粒

オオカナダモの葉の細胞

オオカナダモの葉の細胞では液胞が存在する。しかし、実際は無色なので見えないので、葉緑体がきれいに細胞壁に沿って移動することが よくあります。液胞の存在によって、葉緑体が規則正しく動きます。

単細胞生物

有名な単細胞生物に関しては、ある程度細かい知識をもっておく必要があります。アメーバは水田などに多く、仮足で運動します。仮足に向かって原形質が流れ込みます。よって、アメーバ運動は原形質流動の一種とされています。

ミドリムシやクラミドモナスは葉緑体をもち、べん毛により運動します。クラミドモナスは環境が悪化すると分裂した細胞が離れず、細胞群体として生活することがあります。細胞群体は単細胞生物が集まったもので、高度に細胞が分化 (=分業という意味)した多細胞生物とは区別します。

細胞群体

一生を細胞群体として生活する単細胞生物としてはパンドリナやオオヒゲマワリ(=ボルボックス)などが有名です。オオヒゲマワリでは、栄養細胞と生殖細胞の分化がみられます。ホコリカビや白血球もアメーバ運動します。

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