大学入試小論文で何を書くべきか?合格するための考え方と対策
大学入試の小論文では、「何を書くべきかわからない」という悩みを抱える受験生が少なくありません。小論文はただ知識を披露する場ではなく、自分の考えを論理的かつ説得力のある形で表現することが求められます。しかし、どのような内容を盛り込むべきなのか、具体的な方向性が見えないと不安になりますよね。この記事では、小論文で高評価を得るための考え方や、テーマに合わせた書き方のポイントをわかりやすく解説します。しっかり準備をして、小論文を合格の強みとしましょう!
何を書けばいいのかわからない苦手の人のために
数学や物理なら公式を覚えて計算する。英語なら単語や文法を覚えて記述する。社会科目なら暗記した知識を解答する。非常にシンプルで分かりやすいのですが、小論文を書くとなれば、何を書けばいいのか不安を感じる人が多いようです。
新聞を読めばいいのか、本を買って読めばいいのか。教育学部を受ける生徒は、教育学の本を購入し専門的な知識を身に付けておく必要があるのか。法学部を受ける生徒は、法学入門のような本を読んでおくべきなのか迷っている人も多いのではないでしょうか。
小論文をうまく書きたいがために、新聞を読んだり本を読んだ入りして、意見のもとになる「ネタ」仕込みに走る受験生がいますが、そうやってネタを仕込んでも、結局それは自分自身の意見ではなく、誰でも言えそうな、小学生のある程度賢い子なら何とでも言える意見にしかなりません。では、どうすればいいのでしょう。
受験生の2つの勘違い
小論文に自信がない生徒に見られる特徴として、大きな2つの勘違いをしていることが多いようです。
➊小論文では何か特定のテーマについて「知識」が必要だと思い込んでいること
➋採点者をうならせるような「すごい意見」を言わなければならないと思い込んでいること
の2つです。はっきり言っておきますが、小論文が受験生に求めているのは、あくまでも「考え方」「論理力」であって「知識」ではありません。たしかに「意見」を求めてはいますが、ここでいう意見とは、知識に裏打ちされたものである必要はないのです。高校で習う当たり前の知識だけで十分に太刀打ちできてしまうのです。
大学入試とは、みなさんが高校生活で学ぶべきことを学んできたかを問うものです。教育学や法学などの知識は高校生が普通学ぶものではなく、これらは大学に入学してから学ぶものです。小論文の問題ももちろんそういったことを前提に作られているのです。ですから、高校で習ったことを踏まえて、そこからどこまで自分の発想、考え方を広げていけるかが重要なのです。
「すごい意見」なんていらない
もう一つの勘違いは、採点者が「う~ん…」と唸るような「すごい意見」も求められていないということです。そもそも、小論文で問われるような問題は、人類が英知を集結しても解決できないものばかりで、はじめから素晴らしい解決策などは期待されていないのです。いじめも人口減少も、経済政策も貧困も地球温暖化も、何もかもすべてが人類にとって難問ばかりで、いまだに解決できていないのが現状です。
人類が束になっても解決が難しいような問題ですので、受験生にその答えを求めることはまずありません。
小論文に求められるもの
大学入試の小論文を書くために絶対に必要な力が「要約する力」です。小論文の出題パターンとして、課題文や資料を読ませ、それに基づいて出題がなされます。これは、ただ単に受験生の意見を聞くことだけではなく、資料などで与えられた課題文の範囲内で受験生が考える意見を聞きたいのです。
受験生に課題文や資料を読ませ、課題文や資料を前提にしてその範囲内で意見を聞くのが小論文のほとんどです。好き勝手な意見の表明を求めているのではなく、課題文が主張している主題の範囲内で意見を述べるのが小論文です。
ということは、課題の範囲内で意見を述べるということは、はじめに課題文の主題を正確に読み取らなければならないということになります。さらに、私は課題文の趣旨をしっかりとつかみ取り回答していますよ、というアピールも必要になるのです。
アピールするためには、答案用紙に端的に課題文の要約を示す必要も出てきます。「筆者は〇〇と主張しているが、私は〇〇のように考える」などの書き方が重要になってくるのです。
課題型小論文では、要約力がないと大きく失点してしまいます。与えられた課題文の「主題」が正確に読み取れていてるかどうかも評価の対象になるのです。
要約の仕方を伝授
では、課題文などの要約はどのようにすればいいのでしょうか。最初に気を付けておきたいのが、要約とはただ単に、課題文の縮小版をつくるということではないということです。要約はその課題文の中でも、特に重要なことだけを取り出す作業になります。重要なことは次の通りです。
筆者が重要だと言っているところ
本分で何度も繰り返されているところ
具体例などで詳しく書かれているところ
具体例で書かれていること自体は重要ではありませんが、具体化されていることが重要になります。上記の3点に注意して要約していけば、おのずとその課題文の重要箇所が見えてくるはずです。
要約を小論文に書かないといけないのですが、要約だけで終わってしまっても意味がありません。小論文全体の2割くらいに収まるように要約を記述しましょう。800字で書けと言われた場合には、およそ160字程度が妥当なラインではないでしょうか。
あとは、具体的な課題型小論文を読解しながら、要約しそれを解答用紙にアピールする方法をマスターしましょう。模範解答などは要約の仕方が非常にうまいです。参考にしながら練習しましょう。