【高校生物基礎】体細胞分裂のポイント
体細胞分裂は、生物の成長や修復に欠かせない重要な過程で、細胞が正確に分かれることで新しい細胞を作り出します。高校生物基礎では、体細胞分裂の過程やそのしくみを理解することが、生命活動を支える基礎を学ぶための第一歩となります。このブログでは、体細胞分裂の主要なステップ—間期、前期、中期、後期、終期—をわかりやすく解説し、分裂のメカニズムを詳しく紹介します。細胞分裂のしくみをしっかり押さえて、基礎を固めましょう!
体細胞分裂の過程
母細胞と娘細胞とで染色体数が変化しない。体細胞(体を構成する細胞)が増殖する際に行われる細胞分裂。
核分裂…染色体の構造や位置によって、前期・中期・後期・終期の4つの時期に分かれる。
細胞質分裂…ふつう、核分裂の終期に始まる。細胞質分裂が終了すると細胞分裂が完了する。
核相
細胞内に染色体が何組存在するかを核相といいます。たとえば、細胞内に染色体が6本あります。見ると同じ形・大きさの染色体(=相同染色体が2本ずつあります。このような状態の細胞の核相は「2n=6」と表します。体細胞分裂では、分裂前の細胞(=母細胞)と分裂でできた細胞(=娘細胞)の核相が同じであることがポイントです。
細胞の増殖
細胞が増殖していく過程は、細胞分裂を行う分裂期と、分裂の終了から次の分裂までの間期に分けられます。間期にはDNAの合成や細胞の成長などが行われます。
分裂期
分裂期には、まず1つの核が2つに分かれて(=核分裂)、その後、細胞質が2つに分かれます(=細胞質分裂)。核分裂はさらに4つの時期に分けられます。前期では、核膜や核小体が消失し、染色体が太くなって観察できるようになります。また、紡錘が現れ、紡錘体が形成され始めます。
中期
中期には紡錘体が完成し、染色体が赤道面に並びます。動物細胞は中心体をもつので、中心体が移動して星状体ができます。後期には染色体が縦裂面から分離して両極に向かって移動します。
終期
終期では、核に関しては前期と逆のこと(核膜や核小体が現 れるなど)が起こります。また、終期の途中からは、細胞そのものが2つになります。これが細胞質分裂です。動物では外側からくびれができるのに対し、植物では中央から細胞板が周辺部へと広がり、細胞質を2つに分けます。
体細胞分裂の問題
タマネギの根端分裂組織のプレパラートを作成して観察した。観察した細胞を,核の特徴から5群に分類したところ、次のようになった。これについて下の問いに答えよ。
分類群
1 明瞭な核小体が見られ、染色体の形ははっきり見えない。
2 細い糸状の染色体が見られ、核小体は見られない。
3 核小体は見られず、棒状の染色体が細胞中央に並んでいる。
4 染色体の2つの集団に、それぞれ核小体らしいものが見える。
5 分類群3に比べて、染色体が細く、その数は2倍である。
問1 表の分類群1~5のうちから分裂期に相当するものを、前期・中期・後期・終期の順に並べたい。どのような順番になるか。正しいものを次の1~8のうちから1つ選べ。
1 2-1-3-4
2 2-1-4-3
3 2-1-4-5
4 2-1-5-4
5 2-3-4–5
6 2-3-5-4
7 2-4-5-3
8 2-5-3-4
問2 細胞の染色体数を数えるのに最も適している時期DNAの合成が行われる時期の細胞はどの分類群に属す正しいものを1つずつ選べ。
1 分類群 1
2 分類群 2
3 分類群 3
4 分類群 4
5 分類群 5
体細胞分裂の問題の解答・解説
問1 6
各分類群がどの時期なのかを見抜きます。 分類群1は明瞭な核小体が見られるので間期です。染色体が細胞中央に並んでいることから分類群3は中期。分類群4は染色体の集団が2個あり、それぞれに核小体があるので終期とわかります。分類群5は染色体が縦裂面から分離して細くなっていることなどから後期と決まります。自動的に,分類群2が前期です。
問2 (順に) 3・1
染色体数を数えるのには中期の細胞が適しています。