ファンクショナル・アプローチの魅力 ~Amazing Power~
ファンクショナル・アプローチとは
「ファンクショナル・アプローチ」は、1947年米国GE社で生まれたValue Methodologyです。事業開発、製品開発、改善、問題解決など価値向上につかわれる技術であり、世界中で使われ続けています。その適用の範囲は政府プロジェクト、建設プロジェクト、民間企業、なかでも製造業へとひろく及んできました。日本へは、1950年代に導入された技術です。
技術革新や産業構造の変化に伴い、社会経済に複雑性を増してきたなか、サービス業にもひろげる必要性がありました。その必要性にいち早く取り組み、Value Methodologyを従来の適用産業界に加え、サービス業などへもひろく適用しはじめたのが、ファンクショナル・アプローチ研究所の横田尚哉氏です。研究実績、実装実績、VM教育において功績が認められ、同氏はValue Methodologyの世界最高権威である米国社団SAVE Internationalから、Fellow称号を与えられています(2019)。
ファンクショナル・アプローチは、「知識から知恵を生み出すアプローチ」です。モノ・コトを、「function」から捉え、アプローチしていきます。「function」には、「役割」「効用」「目的」などもふくまれます。モノ・コトなど対象を「function」で捉え、分析し、そこからあらたな価値を創造していくことが出来る一連の思考システムです。
ファンクショナル・アプローチの魅力
私はファンクショナル・アプローチに出会い、専門家の道を選びました。ファンクショナル・アプローチの魅力とはいったい何なのでしょうか。「なぜ、ファンクショナル・アプローチだったのか」というところは、以前私の公式ブログでお話ししていますので、よろしければご覧ください。
私にとって、「ファンクショナル・アプローチ」でなくても良かったはずです。ロジカルシンキング、フレームワーク、クリエティブデザイン…世の中には思考法に関する理論が溢れています。なぜ、ファンクショナル・アプローチでなければいけなかったのか。ファンクショナル・アプローチは有益な思考が融合されている思考システムであり、その思考を駆使できるところに大きな魅力を感じました。主な3つの魅力をお伝えします。
1:ロジカルかつクリエイティブ
たとえば、芸術にも秀でている科学者になれるようなものです。もちろん、別々に両者を身に着けて自身で統合する手も有るでしょう。しかし、ファンクショナル・アプローチには70年以上世界中の莫大な数のプロジェクトで使われ続けてきた実績・研究を通じて、より成果がでるメソッドに構築されています。その、最も効率的なMethodologyを使えることができるということです。ロジカルとデザインの融合の重要性が説かれる昨今ですが、ファンクショナル・アプローチにはその両輪が備わっています。
2:再現性
ファンクショナル・アプローチは一連のシステム化された思考システムです。再現性があるということです。「なんとなく出来た」とか「あの時上手くいったけど、さてどうやったのか」ではなく、メソッド通りに、各段階を押さえながら実行していくと、ロジカルかつクリエイティブに、問題解決でも、開発でも、改善でも…、出来てしまうということです。加えてサービス業への適用の幅を広げてきたファンクショナル・アプローチは、「モノ」だけでなく「コト」への適用も可能とし、ますますその汎用性を高めています。
再現性は重要です。ファンクショナル・アプローチには、原理・原則、そして規律(ジョブプラン)があります。その通りにやると、対象とするモノやコトの、価値を高めていく、あるいは生み出すことができるのです。システムが存在しているということです。
3:融合性
ファンクショナル・アプローチのメソッドはとてもシンプルです。OSのようなものです。一旦身に着ければ、さまざまなアプリをインストールして、より有益な働きを得ることもできるでしょう。アプリとは、他の技術だったり、専門知識だったり、方法だったりするでしょう。可能性を無限大に秘めているということです。もちろんファンクショナル・アプローチ自体の探求の余地も確信しています。OSも更新し続ける必要がありますね。
ほかにも、ファンクショナル・アプローチの魅力はまだまだありますが、また、別の機会に。
ファンクショナル・アプローチとFABIC
この、魅力的なファンクショナル・アプローチのスキルを一人でも多くの方にお伝えするために、またこのハイスキルを、少しでも多くのシーンで活用するために、FABICは活動しています。個人の方にも、ファンクショナル・アプローチスキルを習得いただける場を創出しました。ご興味のある方は、公式サイトへお越しください。そして、個人会員登録もしてくだされば嬉しいです(2020年6月現在登録費・年会費無料)。会員ページでは、ファンクショナル・アプローチの活用事例などの「Journal」をお読みいただけます。FABIC公式サイト
村上紀子