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#記憶
【微艶小説】記憶のかけら
私のことを見つけたあの子は
誰なんだろう
誰が仕組んだ悪戯なのか
運命の糸はつるつると
あの子と私を出逢わせて
私はあの子に発見された
お互いに忘れてしまっているだろう
けれど、きっと、
私のどこかに残されたsignを
あの子はちゃんと読み取った
私のことを見つけたあの子は
誰なんだろう
時間が経つにつれ
私もsignを感じる様になった
胸の奥の大釜を
ゆっくりとかき回されるような
【微艶小説】ゾッとする
渋滞のバスに揺られながら
うとうとと薄く目をつぶる。
なんとも言えない湿気の多い朝で
珍しく空はどんよりとくもっている。
普段はない湿度に、
昔の記憶が肌に蘇る
このまま目を開けたら
そこはあのカウンターなんじゃないか?
テレビはついているか?
客は来ていないか?
振り返り、客がやって来ていないことを確認して、ふたたびまどろむ。
あの頃ももちろん楽しかった。
けれど、今はここがいいんだ