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甘えと弱さのその先へ
忙しくなったら忘れてしまうだろうから、
今のうちに書いておこう。
年明けの2日に、熱でぶっ倒れた。寒気からはじまり、夕方には8度を超えていた。
子どもと会う仕事は、フレッシュで強力な菌をもらいがち。医者から苦笑されるくらい、私の職場は感染症とかさ、風邪なんかの温床だ。あー、たぶんあの子からだ、年末会った子、めっちゃ具合悪そうだったなぁ、、、なんて頭をよぎる。
そんな訳で、大人になってからもしょっちゅう高熱を出す。8度超えは、なんてことない。薬を淡々と飲み、粛々と寝るだけだ。救急外来へ飛び込むほどのことでもない。
熱が下がったのは4日の夜で、食べては眠りをひたすら繰り返したあとだった。
人生の転換期が今まで数回あった。
元旦に家族から久しぶりにそのときの話を聴いた。
当時、小4の春休み。
話を聞きながら記憶がするすると出てきた。大人の話に必死に聞き耳を立てて、分からないことは想像力でなんとか補い、何が起きているかを組み立てていたあの頃。
家族の話を聞きながら自分の記憶をたどって心の中で答え合わせをし、ほぼズレがないことに驚いた。10歳って、子どもってすごい。弟は小1だったから二人で話し合うこともできず、あたし、ひとりきりで不安を抱えながら乗り切ったんだ。
そして、新事実を聴いた。
大人といわれるひとたちの弱さに驚いて、いやいや落ち着け、今の私のほうが当時の彼らよりもはるかに年上だから、と自分をたしなめて、、、
穏やかに家に帰った。
とりあえず、なんか寒い気はするけどビール飲みたくて、自分の世界に入って頭を整理したくて、ちょっと勉強して。
年末の忘年会や酒仲間との時間がとにかく楽しくて、楽しいまま過ごせると思ってたのに。楽しさもショックもいろいろあり過ぎて、年始早々自分のキャパ超えちゃったなぁ。。。
そりゃ熱も出るわ。。。
伝染さないよう長く家で過ごし、医者に行き新たに薬をもらい、万が一のためカウントしてた日数も無事終了。
久しぶりにバレエのクラスを受けた先週、踊り初めは真新しいスタジオから。
環境の変化により、いつもよりちょっと緊張して迎えたレッスン。
そこにいたのは、顔なじみの生徒たちの前で、目立つことを恐れ、分からないことをスッと手を挙げて聞けない、真新しい環境に似合わぬ古くさい自分だった。
あとで個別に質問しに行ったら、話の内容がめちゃくちゃ深かった。聞いてよかったし、だからこそ、レッスンの場で聞けない自分を悔やんだ。
同じ流れでレッスン後に聞きに行ったの、これで2回目だ。先生に甘え過ぎてる。
先生への甘えは、すなわち自分への甘えだ。
自分の弱さをどこか知りながら、見て見ぬふりして平然と過ごしてた私がいた。
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ
茨木のり子さんの有名な詩の一節が浮かんだ。
もはや、ばかものめ だった、自分に怒ってた笑
学びたい、もっと知りたい、もっと踊りたい。
ならば、その意欲のままに生きろよ自分!!!
ダンスも舞踊も酒も職場もSNSも、すべて素敵な仲間に囲まれて、あの頃のことなんて全て忘れて今に生きて、いきなり引き戻されて、熱出したら生まれ変わったみたいにまっさらにリセットされた。
いきなり自分の甘えや弱さが視えてきた。
熱出した後は、体調が戻りきらない。
突き出したあとのところてんみたいだった。くんにゃり力が抜け、輪郭がおぼつかない。
お酒飲んでも美味しいと感じられない身体で、澄んだ心で、世の中を見渡すとどんどん無力感でいっぱいになる。
発熱中、なんで今、どうして踊ってるんだろう?
踊ることに何の意味があるだろう?も出て、元気ならば「楽しみ、趣味、自己研鑽っ!!!」で終わる話なんだが、長く続いたなぁ〜。先週いっぱい引っ張った。
いろいろ引っ張っててしんどいのは分かるけどさ、言い訳せずに自分と向き合おうよ、いい加減。
まずはかたちから、レッスン着から。
もっと自分をさらせるよう、指導してもらいやすいよう、身体のラインを出そう。
当たり前だけど、分からないことは聞く勇気をもとう。
スキルを落とさないよう、むしろ上げられるよう、先生のレッスンに出られない分は他スクールのバレエに通って補おう。
たくさん寝てメンタルと免疫キープでいこう(意外とここ大事)。
で、翌週のレッスン、昨日のことだけど、しっかり質問できた。ほんと、なんてことはなかった。先生は私の質問に慣れてるのでスッと対応してくれたし、みんなから村八分になるなんてことは、当然ながらあるわけないし。
そこにあったのは、自分の思い込みという名の高く厚い壁だった。おかげさまで、自分で作りに作り込んだ壁はみごと崩壊した。
世の中で生きてると、くすんだり、くもったりさ、弱ったり甘えたりさ、いろいろあるだろうね、これからも。
今回の熱みたいに何かのきっかけでハッとして、自分を見直しては、ととのえるのだろう。
こうならねば、こうしなきゃはなくて、そのときの自分に合わせて調整していけばいいから、気を楽にしていよう。
気づいたら取り組めばいい、それだけのことだ。
子どもみたいに思春期みたいに澄んだ心のままでいたいと願い続け、できるだけあの頃の感受性をキープしつつ、気がつけばもうひとつ歳をとる。
よく考えれば、よく考えなくても、自分の感受性でお金稼いでごはん食べてるし、踊ってお酒飲んで楽しんでる。
あの頃の私には考えもつかなかったな。
やばっ!幸せだな〜!!
今、なんて幸せなんだろうな。。。