どうする 卵
書類整理していたら昔のメモが出て来た。
次男Tがもうすぐ11歳になる頃だった。
行きたいところがあったのに
行けなかった日。
お腹も空くし
そんな時に限って好きなおやつもストックがなく、イライラぷんぷん 腹立ちのT。
イライラ振り撒かれ こちらもややプンプン。
Tは
「卵焼きでも作ってた〜べよっと!」
と 大きなひとりごとを言いながら
冷蔵庫から卵を取り出した。
割る音とほぼ同時に
「あ~ぁ おんせんたまごやったぁ~」
力が抜けた落胆の声が聞こえて来た。
腹立ち紛れにやったものだから
卵の殻に『温泉卵』と鉛筆書きしてあるのにも気付かなかった。
(腹立てながらするからやん!)
とは思ったが 可哀想やら可笑しいやら
どうするのか様子を伺っていたら
また、大きな独り言
「そうや、コレに醤油入れて混ぜて卵焼きにし〜よぉーっと!」
失敗と思われたくなかったのか
卵焼きにこだわり、その温泉卵をねとねとほぐしてかき混ぜる音。
私もどんな焼き具合か見たかったけど
なんか悔しいので様子見 継続。
「うん!なかなかいける!!」 と機嫌も直って美味しそうに食べておった。
(そら、よかったわ)
お兄ちゃんに
「卵焼き作る時 割ったら温泉卵て どうする?」と聞いた。
「違うお皿にいれて醤油かけて食べるわ」という答えだった。食にさほど興味無い子。
私だったら温泉卵はべつにして
生卵を割り直して焼くだろう。
Tは頑固でありながら 柔軟でもあるような そういう所が面白く 羨ましくもあった。
というメモだった。
昨日 「卵焼き焼くわ」と卵を割った大人のTは台所から「あっ!」と大きな声を発した。
「割ったら 入れそこねて
水をはってるボウルに入ってしもた〜。
(数秒間が空き)
そやけど
元気な卵やから掴んでも潰れんと 丸々救出できたで。 すごいやろ。」
と、いいながら 箸で溶き始めた。
11歳のときと そんなに変わってないな〜と これを書きながら思った。
おしまい
お読みくださいまして、
ありがとうございます♪😊
温泉卵で卵焼きしてみたいですか。