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お尻が裂けた話「キナリ杯に出ます」女です。

それは、突然やって来た。家族三人で自分の実家に帰った時だった。自転車で10分も掛からない。いつも通りに、実家のお風呂に入った。少し高めの新しい椅子が置かれていた。そして、いつも通りに洗い場で椅子に座って身体を洗っていた。

ストーン。何かが、起こった。手はお尻にいって何かを無意識に吹っ飛ばしていた。感じたことの無い痛みで、呼吸が上手く出来ない。寝転ぶ。どんどん息が上がっていく。ハァハァと肩で息をする。何が起きたのか分からない。とにかく痛い。

薄れかかっている意識の中、血で洗い場が滲んでいる。声も出ない。ただ痛くて、意識が朦朧としていた。気付いたら、何分も経っていた。

家族がなかなか風呂から出て来ない私を見に来た。そして、旦那と母親が悲鳴をあげる。私の近くに叩いた物体が残っていた。

なんと、子供用のシャンプーだった。泡あわの身体で新しい高い椅子に座った事により、摩擦がなくなり、身体がすべって落ち、真下にあったシャンプーのノズルがお尻に刺さったのである。あの押すところ。突起物な上に棒が出てる。今も考えただけで血の気が引く。交通事故で車に、自転車ごと顔面から跳ねられたことがあるが、そんなのお茶の子さいさい。人生で一番の激痛。

救急車を頼むか家族が悩んでるが、裸で横たわっている。動けない。しかも、シャンプーのノズルが刺さって、お尻から血が出ている。恥ずかしさで、こんなので救急車なんて呼べない。旦那と母親がとりあえず、リビングまで運んでくれた。そして、服を着させてくれた。とりあえず、身体は隠れた。血が凄い。ナプキンを当てたが間に合わない。そして、とりあえず、息が上がったのが治らない。痛くて治らない。鎮痛剤をとりあえず飲ませてもらった。旦那に明日、どこか掛かる病院を見つけてもらって、なんとか寝た。それしか記憶がない…その日は金曜日だった。

目が覚めたとき、やっぱり激痛だった。起きれない。少しでもお尻に力を入れると、今まで感じたことの無い、激痛を感じる。用も足したいのに、行く勇気がなくなった。何とか行って用を足した。

車に何とか乗り、席は倒し、土曜空いている肛門科になんとか着いた。凄く混んでいた。痛みが尋常じゃなく、ドーナツクッションなんて意味が無い。やっと、順番が回ってきて見てもらった。

説明をした。シャンプーのノズルが刺さった。そこの病院は正直苦手だった。はぁと呆れている。診てもらったら、「お尻避けてるね。中も避けてるね。これ、場所によって、神経避けてたら、自分で排泄出来なくなるね。自然にくっつくの待つしか無いね。」と恐怖な事をさらりと言われた。出された薬は飲む痛み止めと座薬のみ。これで、私は治るのだろうか…1週間分の薬を貰って帰った。

自宅へ帰って、溢れる血の為に、オムツを履いた。痛み止めを飲むが痛い。帝王切開の時も、腹を切ってるのにスタスタ歩けた。なのに、お尻が裂けたら、こんなにも痛いものなのか。トイレと食事以外、寝たきり。排泄時は地獄だった。座薬は自分で痛すぎて入れられず、旦那に入れてもらった。屈辱だ。1週間後病院に行った。同じ薬を1ヶ月分渡された。やはり、歩くと激痛。1ヶ月は激痛が治らなかった。トイレと食事以外は寝ていた。母親に、子供のお迎えを頼んだ。そうしないと、生活出来なかった。出血は1ヶ月近く続いた。

病院へ行ったが、出されるのは、痛み止めと座薬のみ。不安になる。私は上手く歩ける日が来るのか。お尻は裂けたままなのか。藁にもすがる思いで、病院を探すと近くに大きい病院の肛門科から独立した先生の肛門科の病院を見つけた。

その先生は、とても話しやすく、お尻にシャンプーのノズルが刺さった話を真剣に聞いてくれた。患部も診てもらい、一年も経てば、完全に良くなると教えてくれた。神経も切れていないと説明してくれた。

通う事三ヶ月、痛み止めも座薬も要らなくなってきた。

だが、この三ヶ月後、ピューピュー事件が起こるとは知るよしもなかった。後にピューピュー事件と名付けられる事件が…

実話ですが、読んで頂きありがとうございます。

次回、ピューピュー事件書きます!

#キナリ杯 #ドキュメンタリー #鬱病 #シリアス

#お尻 #犬


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