心に残る上司の言葉vol.1『いい上司ほど語らないです』

心に残る上司の言葉vol.1『正直な話…ないです』
心に残る上司の言葉…
はっきり言ってあまりない…
もちろん、いい上司もいました。
しかし、そういう上司に限ってあまり語らないのです。態度で示すのです。
悪い上司に限って語るのです。それも長々と。長い割には心に残らないのです。精神年齢中学生の戯言なんぞ心に残るはずはありません。
そして悪い上司は必ずと言っていいほど、部下の自信を奪いにいきます。
お前のあそこがここが悪いと。
そして、どんどん自信を無くしていき、行き着く果ては辞職です。もっといくと自殺すらするかもしれません。
しかし、当の上司は全くへっちゃらです。
仕事ができない奴が辞めて、或いは死んで清々したくらいにしか思っていないのです。
産経新聞に次のような記事がありました。

 県立不来方(こずかた)高校(矢巾町)の男子バレーボール部に所属していた3年生=当時(17)=が7月3日に自殺した問題で、6月3日の県高校総体の決勝で敗れた後、自殺した生徒が40代の男性顧問から「お前のせいで負けた」などと言われていたことが27日、分かった。
 県議会商工文教委員会で、斉藤信委員(共産)が入手した学校の調査内容をもとに明らかにした。
 斉藤委員は学校が部員や教職員に行った聞き取り調査で、自殺した生徒がミスをすると、顧問から「そんなことだから、いつまでも小学生だ」「だから部活辞めろと言っているんだ」などと叱責されていたとの証言があることを問題視。
 さらに、この生徒が残したメモに「ミスをしたら、『必要ない、使えない』と言われる。高校でこれなら(推薦されていた)大学で生きていけるはずがない」などと記していたとし、「クラブ活動に問題があったと感じるのは当然ではないか」と指摘した。云々

件の高校の監督は当に最悪の事態にまで選手を追い詰めてしまったのです。

それでは全く怒らない上司がいいのかと言うとそうではありません。次の事例は元プロサッカー選手、氏家英行氏のピム監督についての回想録です。

 ピム監督は「今日の試合はお前のせいで負けた」と第一声を発したあと、「なぜリードされている終盤、決まる可能性がほとんどないシュートを打つんだ」と顔を赤くして怒鳴り散らしたという。練習中から厳しく、辛辣な言葉もある指導者だったが、その夜は一方的に1時間ほど説教と忠告と訓示が続いた。「『もっと体脂肪を落とせ』とか、何から何までボロクソ言われました」。氏家はただただ黙って聞き入るしかなかった。

しかし、そのピム監督は

最後に「ウジ(氏家)なら響いてくれると思ったから、ここまで言ったんだ」
と付け加えたんだとか。

件の高校の監督とプロの監督の違いはこの小さな気遣いがあるかないかなのかもしれません。
また、その高校の監督の叱責がいつまでも小学生とか、何故、辞めないのか、と言った抽象的な精神論しかないのに対し、プロの監督の方はあのシュートは良くないとか、体脂肪を落とせと言った、叱責が具体的で現実的である事も特筆すべき点でしょう。
また、その場にはピム監督のほか、三浦俊也コーチ、岡本武行GKコーチ、中村順通訳らスタッフが勢揃いしていたそうで、その人達の手前、叱責しなきゃならなかったというのもあったかもしれません。

いい上司がなんらかの辛辣な言葉を発する時、それは部下に覚悟を促す時であり、自身も覚悟を決める時とも言えるのです。


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