聞きたくない!「日本没落」はなぜ?
【最先端は現代日本にはない?】
現状の日本と言う地域は「最先端」はほとんどなくなってきた。最先端は米国も離れ、中国などに変わってきたんだな。ちなみに量子技術の1つである量子暗号は、それを搭載した衛星は、中国は2016年に打ち上げている(2024年2月には6Gの試験衛星を打ち上げている - https://www.chinadaily.com.cn/a/202402/05/WS65c078e3a3104efcbdae9c1c.html)。米国も日本もまだだ。日本国内に長く技術畑で仕事をしていると、日本や米国に最先端なものが溢れていた時代を未だに引きずる人が多いのだが、実際の世界的趨勢は変わって久しい。
【「日本から来た」はステータスにならない】
既に2010年頃から、日本以外の国や地域では「日本から来た日本人の技術者や研究者」と言うだけでは、注目を集めることはなくなったのは、実感する。20年くらい昔は「そういうこともあった」んだけれども。要するに、そういう時代に変わったんだね。
【海洋国家日本?宇宙?】
日本政府肝いりで推進されているものの1つ「海洋開発に関わるハイテク技術」でも、現状の高性能の製品や、そのための部品は全て中国製か欧州製。日本で日本語の情報ばかり見ていると、どんどん遅れていく。宇宙開発は米国、中国が盛んで、日本には米国企業の一般向け衛星インターネットサービス「Starlink」も入ってきているが、キーは当然「衛星打ち上げをより安価に行う技術」である。日本では商用衛星打ち上げビジネスを目指したH3の失敗でH2aに戻った。(やっと2024年2月にはH3打ち上げ成功となったが、世界水準に追い付くのはこれからだ)後退している。いま、技術では日本が一番と言うことはない上に、マーケットとしても日本はトップから外れ始めたから、力のある日本創業の企業は日本をターゲットにしていない、というだけだ。
【国境の無いグローバル企業】
「日本企業」「米国企業」「中国企業」と言うが、力のある企業は国境は関係ない。あくまでも、創業地がどの国や地域か?と言うだけだ。
韓国のSAMSUNGは「韓国の」とは言うが「韓国政府の企業」ではない。公開されているIR情報の資本を見れば外資が半分以上の「グローバル企業」だ。地域ごとに勢力が分かれた「ローカルの時代」は完全に過ぎた。多くの有名な日本企業と言われているところも同じだ。いま、起きているのは、国境や国の政府とはうまく付き合うが、その傘下でもなく重視もしない、という「企業のグローバル化」なんだな。その最先端がGoogleとか、Appleなんだな。中国創業の企業ではHUAWEIとかだね。製品を買うだけの一般消費者には見えないわけですね。学生なんてさらに見えないだろうね。
【グローバル大企業は「国」ではなく「お金」が重要】
地域ごとに企業があり、企業がそこを拠点に事業を拡大し、その地域の政府に税金を落とす、という時代は10年以上前に終わっている。企業は大きくなり、地域という器には入りきらなくなった。だから企業の行動原理が「お金」である以上、企業は儲かる地域には行くが、儲からない地域には目もくれない。当たり前なんだけどね。だが、個々の人間自身は多くが地域に縛られて生きているし、かつての巨大日本企業がさらに大きくなり、日本の政府に税金を納めない、という事実を知らない。世界の大企業が、できるだけ税金のかからない地域に本社を置く(タックスヘイブン)、なんてのも報道されたことがあったが、今や当たり前で、報道もされない。
【Amazonの例】
米国Amazonの例を見ればわかるだろう。Amazonは本社社屋のある米国政府に税金を納めていないばかりでなく、進出している他の地域でも税金を納めていない、ということが話題になったことがあったが、最近は少し納めるようになったので、そういう記事は見なくなった。
Amazonは、株の配当を抑えて、次年度への新規事業投資にほとんど儲けたカネを使う。だから、株価は上がる。株でお金が欲しい株主は、配当を期待するのではなく、持っているAmazon株を売れば、購入時との差額が大きいので、文句はない。そうやってAmazonは合法的に短期間で成長し、国の政府に僅かばかりのカネを恵む程度で、国の枠を超えた巨大な帝国を作り上げた。
そして、多くのグローバルと言われる企業が同じことを始めている。
そういうことさ。
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