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鎌倉の「ゆるキャラ」、「おちむん」の話。
【鎌倉には「おちむん」がいる】
東京から約1時間の小京都「鎌倉」には、鎌倉武士をイメージした「ゆるキャラ」として10年前に現れた「おちむん」がいる。なにかと土地のイベントに呼ばれては、子供たちに大人気だ。
【おちむんの出自】
おちむんは、鎌倉武士なのに勇ましくない。戦場から逃げた「落武者」を「おちむん」にした。彼は鎌倉時代の下級武士で、街で見初めていっしょになった可愛い妻がいる。しかし、ある日、合戦に駆り出され、泣く泣く戦場へ行く。しかし、戦場で命を落としかけたその時、彼は現代日本にタイムスリップする。髷もなくなったざんばら髪のまま、彼は現代の鎌倉でさ迷い、しかし、可愛い妻に会えるその日を夢見ながら、平和で争いのない、この現代日本で生きていくことを決意する。その日から、彼は「落武者」ではなく「落無者」の「おちむん」となった。その物語は絵本「おちむん」でも紹介されている。
【庶民にとっての戦争】
おそらく、合戦が絶えなかった時代の下級武士や庶民というものに「おちむん」は近いのじゃないかと、私は思う。勇ましく命をかけて戦う武士ではなく、仕方なく戦場に駆り出され、命を落とした後に「軍神」と言われたとしても、それは嬉しいことではない、と思うしかない庶民の気持ちがそこにあるように、私は思うのだが、どうだろうか。
与謝野晶子の「君、死にたもうことなかれ」と、どこか通じるものを思うのは、私だけだろうか?