第25話 成功する報酬制度は「社員をよく見ているかどうか」
【一緒にいたいと思われるリーダーの条件】
・自分 (従業員)に関心を持ってくれる人
・向上心をもって実践している人
・見合った報酬をくれる人
従業員に長く会社にいていただくには、「一緒にいたいと思われること」は重要であり、その1つに「働きに見合った報酬をくれる人」であることをお伝えしました。
僕は、銀行を退職後、ベンチャー企業に転職し、2年半で10人から100人になる会社のナンバー2を経験させてもらいました。
そのときに「30人、50人になってから、仕組みを導入する苦労」を経験しました。
新しい会社の仕組みを、短期間で、30人、50人に浸透させるのは無理です(笑)。
そして、「きちんとした仕組み」がないから、最後の最後に上場断念という、大どんでん返しがありました(その話に興味がある方は、第14話を是非ご覧ください)。
その経験から「少ない人数のときから、仕組み作りを教育しておいた方がいい」という教訓を得ました。
なので、僕は会社を興したときから、ルールを導入していきました。
ただ、これもこれで大変。
なぜなら、従業員は、その必要性を感じていないからです。
「のどが乾かないと水の必要性を感じない」というやつです。
そこで行き着いたのは、従業員の信頼残高を高めつつ、ルールの必要性を粘り強く伝えていくことでした。
第1話でお伝えしたベテラン営業社員たちとの別れは、このルールへの抵抗感も原因の1つでした。ただ、それは、早めにわかってよかったと思っています。
今残ってくれているメンバーは、その必要性は、わかってくれていると信じています(汗)。
「いちいち聞くのは面倒。決まっていた方が迷いがない」
というルールのメリットを。
さて、やっと本題です。
「働きに見合った報酬をくれる人」が「一緒にいたいと思ってもらえること」の1つであるというお話です。
上述の通り、僕のルール作りは20年以上にのぼります。
そのなかで、関心が高かったものの1つが報酬制度です。
ここの不明確さが、従業員の退職理由の1つになるし、逆に明確なら、従業員のやる気になります。
評価制度についてはたくさん研究し、実際やってみてきました。
そこで行き着いたのは、日本一の指導実績を誇る人事コンサルタントの松本順市氏の「成長支援制度」です。
大きな中小企業が利用することもありますが、10名以上の会社でも導入されて、成功されています。
これは、1人目の部下をもったときからも使えると思います。
この良さは、いろいろ試行錯誤した経営者でないとわからないと思います(コンサルティングでもやろうかな?(笑))。
実際どういいかは、また別の機会を設けられたらと思いますが、「働きに見合った報酬制度」という仕組みを持てば、従業員の方は、「どう頑張れば報酬があがるか?」が見えて、安心して働けると思います。
ただ、ここにも落とし穴があります。
「よく見てあげること」
「自分がよく見れないなら、よく見れている人に聞くこと」
が前提になければ、どんな評価制度も、従業員の信頼は得られないということです。
つまり、やっぱりここでも、
「自分(従業員)に関心をもってくれる人」
であることが、経営者、リーダーには求められるということですね。
いや~、経営者、リーダーは大変ですね。
だけど、ここでもご褒美があります。
「成長をしていく従業員を見続けられること」
です。
「数年前はあんなだったのに、今ではこんなに責任感をもってやってくれている」
という従業員の成長です。
これは、経営者やリーダーにしか味わえないご褒美です。
人の成長に関われる幸せは、経営者冥利です。
では、今日も皆さんにとって素敵な1日でありますように!
以上、河越でした。