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サイコパスはすぐそばに

自分の子どもだけでなく、その友達など大人に守られるべき子どもと話す機会があるたびに話して聞かせている私自身の経験したお話がある。身近な人に騙された経験と、大人を介入させる大切さをわかってもらうためのお話。

タイトルのサイコパスは10歳の時たまたま席替えで隣になった女の子。猫みたいな目元と真っ白な肌が特徴的な子だった。今から思えば成長期前だったからかな?ぽっちゃりのショートカットで活発ではなくスポーツは苦手、無口で目立つ存在ではなかった。
私は普段ミニバス部の友達か幼馴染と一緒にいて父がPTA会長で名前がちょっと変わっていたのですごく目立つ存在ではないけどみんな名前知ってる感じかな。
全く共通点も何もなくて、席が隣になるまで意識したこともなかった。
なのに何故かじわじわと彼女が「守護霊が見えて、守護霊から様々なアドバイスや指示を受けている」と信じてしまったの。何故か。もはや何がきっかけだったのか、全く覚えてないんだけど、気がついたらいつもその子と一緒にいるようになって、週末もずーーーと守護霊からの言葉を聞かされていたし、聞きたかった。今思うと巧みに孤立させられてたんだよね。たぶんこの時は既に大人達は様子がおかしいと思ってたのかも。やってることは他愛無くて、帰りの道順変えないと事故に遭うとか、黄色いものを身につけないと不幸があるとか。
ある時、「あなたは今悪い霊に狙われていて危ない、かなり手強いので長時間お祈りしないといけない。これまでは友達だから親切にしてきたけど、これは流石に1,000円くらい貰わないと無理だ」と言われ、なんの疑いもなく自分のお年玉貯金の中から持ち出して支持された場所に置いた。
かなり周到に長時間かけて少しずつ洗脳されて、気がついたらありえないことを丸っと信じちゃったんだよね。
よくあるカルトの暴力とか修行とかなしに、毎日毎日守護霊と悪霊の話だけで。しかもお互い10歳よ。インターネット以前の時代にどうやってあんな技術を身につけたのかな。サイコパスの人って素で人を支配下に置けるんだよね。こちらも10歳だし、まさかたまたま隣に来た同級生が自分に悪意持ってると思わないもん。最初は悪意でもなかったのかも。あまりに言いなりだから、どこまでできるか試したくなっちゃったのかも。

お金を渡してしまった翌日朝、先生から呼び出されて1,000円を返された。
・気軽にお金のやり取りをしてはいけないこと、
・双方の保護者には話してあること、
・私は他に何も心配しなくていいこと、
を説明されて解放された。
先生がテーブルの上を滑らせた1,000円札を見た瞬間、頭の中のモヤが一気に晴れて、突然我に返った。教室に帰ったら何もなかったようにミニバスのグループに戻り、彼女の方も私を避けていた。全然不快な感じとか恐怖とかなーんにもなく、すっと元に戻った。親もこのことに何にも触れなかった。私だったらつい尋問まがいの質問しちゃいそう。。今思うととてもありがたい。彼女と行動を共にし始めてからお金の話が出るまでたぶん1ヶ月くらいだったと思うけど、見守ってくれたんだもんね。私自身が被害のあってるとかコントロールされているという意識がないから、相談するという発想にならなかったもの。

この一件で
・全く荒唐無稽な洗脳にも自分がかかる可能性がある怖さ
・洗脳者は知らない怖いおじさんではなく、身近にいる可能性があること
・大人はちゃんとみてくれてること、
・自分では不可能と思えることも大人が関われば解決できること

を身をもって学んだ。
なので、子どもの皆さんは大人に迷惑がかかる、恥ずかしいなどと思わずに、困ったら大人に相談して欲しい。
おねがいだから自分を追い詰めないで。大人が責任を持ってあなたを救う。
今被害に遭ってると思わなくても、今幸せじゃなかったら苦しかったら何か変かも。誰でもいいから、今の自分の状況どう思うか聞いてみて。自分の話じゃなくて、こんな友達がいてさ、でいいから。

今彼女はどうしているんだろう。
事件の後、彼女の家庭がかなり貧しいと聞いた。中学校が別になっちゃたから、全然消息わかんない。
あの才能を良い方に活かして営業か何かで成功していて欲しいな。誰か良い大人が導いてあげられていると良いな。


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