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JOJO RABBITを見て

シーソーのように揺れ動く少年の心情と、時代の移り変わりを見事に描いた作品。


個人的にはゲシュタポがジョジョに家に入ってきて、ユダヤ人を探すシーンが印象的だった。タランティーノ監督の「イングローリアス・バスターズ」の酒場のシーンのように、シリアスで尚且つ緊張感のある雰囲気で話が進んでいく。ゲシュタポを騙せるかどうか、その針に糸を通すかのようなストーリ構成に脱帽だった。


話の中で、ジョジョが崇拝しているヒトラーが幻想として現れている。彼(ジョジョ)が迷った時にアドバイスをする彼(ヒトラー)は今まで受けて教育や環境で作り出された偶像としての役割を十分に果たしていた。そして「ユダヤ人はモンスターだ」というジョジョは固定観念を抱くようになる。


しかし、実際にユダヤ人のエルサにあって彼の気持ちが振り子のように揺らいでいく。「本当はユダヤ人は自分(ジョジョ)と同じで人間で、とてもいい人ではないのか?」そして、映画の終盤にいくにつれて少年の価値観が徐々に崩れていく。


私はその過程をまじまじと見て、どれだけ教育が大事かを再確認した。子供はなんでも素直に信じる一方で、環境からの影響に依存しやすい。自身での価値基準がないからだ。そこである偏った考え方を教えてしまうと、それ以外のものは実際に触れたり見たりしなくても拒絶してしまう。


(余談)


私たちは現在、インターネットを手にしたことで能動的に情報を手に入れることができるようになった。調べたい情報があれば検索するだけで数多のことを見つけることができる。これは情報革命と言えるであろう。

今までの「お茶の間のテレビ」「家に届く新聞」でしか情報を得れない時代から解放されたのだ。しかし、インターネットは便利だからと言って使いこなせるとは限らない。もし「カブトムシ」という言葉を知らない時、私なら「昆虫 一覧」と検索して調べる。ここで重要なのは「昆虫」という言葉を知っていることだ。もし知らないとだいぶ苦労することになるだろう。(「昆虫」という単語を知らない人が「aiko 有名ソング」と検索できるとも思わない笑)

このように、検索するエンジンとなるものを学べるのが基礎学習だ。学校教育について詳しくはないが、インターネットの波がどう教育に影響を与え、どう柔軟に変化していくかは個人的に興味がしんしんである。
まとめるとこの映画はいい映画だからぜひお勧めしたい。

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