もうお腹は引き上げない

もはやお腹を固めるのは癖

お腹を引き上げる、お腹を引き込む、
長年あらゆる場面で気をつけてきたことです。
人前に出るとき、ダンスやヨガの練習のとき、もしかすると家事をするときもお腹を引っ込めていたかもしれません、良かれと思って。
そう、お腹が膨らまないように気をつけるのは体にとっていいことだと信じてきました。機能的にも見た目的にも。
なのでそれはもう習慣となり、いつも気がつくとお腹をかためて生活をしてきました。
ヨガの先生には「お腹は引き込むけど、お腹を硬くしない」と言われるので、長年の試行錯誤の末できている感覚を得ていましたが、それは器用に表面の筋肉は柔らかいままお腹の奥の腸腰筋を固めてしまっていたようで、
腰は程度の差こそあれいつも痛かったのですが、痛みがひどいときに整体へ行った際、その腸腰筋の硬さに驚かれたことがあります。
何をどうしたらこうなるのですかと尋ねられたので、
お腹を柔らかくしたままへこませてからかもしれませんと答えたら、
そもそもこのお腹は全然柔らかくないし、腸腰筋が信じ難いほど硬くなっている、そしてそれが今回の腰痛の原因と思われますと言われました。
バンダが入っていると信じていたのに腸腰筋を固めていただけだったのか、信じていた感覚が思い込みだったのかもしれないと疑いが生まれ、体というものとヨガの間で気持ちが揺れ始めました。

ヨガというのは身体感覚を得た上でその感覚を手離していく、超えていくものなので老いていようが若かろうが怪我をしていようがしんどいところがあろうが、ただ実践するだけです。
でも私の目の前には体があるのです。そしてそこに興味がある位以上、ヨガの世界観でしか体をとらえないのは自分にとっては嘘になる、揺れますねー。

体の快適さに出会う

疑問を持ち始めると答えに辿り着くべく多くのものと出会うようになるのが面白いものですが、EIJI WORK に出会い、自分が思い込んでいた体、自力でコントロールしてきた体というものに対して、周りの重力や空間、下から上がってくる力のベクトルとともにある他力を信頼している体が自分の中に既にあることを知りました。
それでもまだそのリアルな感覚を知った、垣間見たにも関わらず、頭で理解しないと理解できない石頭で、EIJI WORK を受けながらも依然自力でお腹をかため続けていました。

そこで頭でも理解できるために現れたのがYOKO.Tでした。
彼女のインスタグラムでの投稿が気になり受けてみたところ、
重力線に体を乗せていくことで EIJI WORK を受けたあとのあの周りの空間とともに在る感じ、下から上がってくる力のベクトルが感じられ、余計なものが心と頭から一気に消え去るあの感じが得られたのです。
しかも頭でも理解できる！
それから昨年末までの一年半ほど受けていたのがYOKO.T による骨格ベクトルトレーニングです。骨格から体を整えていくというものです。
説明がしやすいのでビフォーアフターの写真で見た目を比較していますが、
このセッションの肝は実は内面に起こる変化なのです。体と心は繋がっていることをリアルに感じられます。

悲劇的にお腹が硬い

EIJI くんにもお腹にみっちみちに詰まっていることは指摘されていましたが、YOKO.T からも同じ指摘でした。それはマインドの癖によるものもあるし、ヨガでの体の使い方を勘違いしていて腸腰筋を固めていたことによるものもありますが、その辺の細かい理由はどうでもいいのです。そこを振り返って過去を悔やんでも脳内ドラマが増えるだけだし、マインドの癖を取らなくてはといって自分のことを頭で考える時間を増やせばまた「気をつける」項目が増えるだけ。体が先に理解することでマインドが変わるということがあります。なのでお腹を柔らかくすることだけに意識を向けることを私は選択しました。

「気をつける」のをやめた結果

YOKO.T のパーソナルもEIJI WORK も、重力のはたらくラインに体が乗ることがどうも鍵のようです。それにはお腹を固めることが障害となる、もちろん他にも大事なポイントはあるのですが、どんなワークをしてもお腹を固めると台無しになってしまうのです。長年の癖だし、まだどこかでお腹をへこませなきゃと咄嗟に思う自分もいるのですが、今までの出会いがもたらしてくれたことを信頼して（つまり自分を信頼して）お腹の力を抜きっぱなしにすることにしました。ヨガクラスで人前に出るときもです。下腹部がポテっと出ていても気にしない。相当勇気が入りましたが、もう自分の体を辛いものにしたくないし、自分の体をダメだと思いたくない、そしてコントロールフリークとなって体を監視することをやめたい、このまま自分の体と仲良くしていたいのです。
お腹をへこますように気をつけることをやめて以来、腰痛も肩こりも慢性的なものは消え去りました。

もちろんヨガの達人やプロのダンサーは体の使い方に勘違いなどないのでしょうから、私のような間違いはしていないと思います。
でも私は固めてしまっていたので、もうそれをやめたよというお話でした。

”お腹くしゅくしゅ”を合言葉に。