人事コンサル目線の越境体験
こんにちは。今日は8月15日にドコモ gaccoのビジネスセミナーでお話ししました私の越境体験をベースに、改めてnoteに書き留めておきたいなと思い記事にします。
日本一おかしな公務員の著者 山田崇さんと1時間の対談をしてきました。気がつけば二拠点生活、今回でいうところの越境体験4年目になりました。10月には丸4年。このタイミングで越境体験を語るセミナーに呼んでもらえてよかった。経験の棚卸しです。
まずは私の越境体験を3つのPhaseに区切って振り返りました。
そして、楽しむための要素とその後の変化の順にまとめています。
越境体験Phase1「新しい価値観を知る」
私の越境体験のスタートは安曇野と東京の二拠点生活から。こちらは別記事にまとめているので詳細はこちらご覧ください。
越境体験Phase2「地方・地域の難しさを知る」
長野県の移住・二拠点生活支援の企画「おためしナガノ」をきっかけに塩尻市に活動の拠点を変えます。
塩尻市新興公社のテレワーク事業KADOの活動にも関わり、私自身は初めて地方の会社との接点が生まれたといっていい経験でした。
東京の大企業向けに培ってきたスキルや経験はそのままでは重宝されないこと、当たり前に使っていた言葉から共通認識としていたものまでその場・関係者に合わせて柔軟にストレッチしていく必要があることを痛感した経験でもありました。
「今までやってきたことが役立ったー!」の実感を持てるまではある程度の時間を要したし、逆に皆さんの仕事を増やしてないか、本当にこれでいいのか自問自答しながらフィードバックをもらいながらの試行錯誤が続きました。
変化は徐々にだけど確実にやってきました。最初は知っている知識を伝える・教えることが多かったようにも思いますが、1人の伴走者として共に走っている感覚を覚えるくらいにまではなってきました。
越境体験Phase3「関わりの面白さ・拡大」
なんとなく自分の価値に気づけてきたのは1年くらい経ってからかな。長野に家も購入し、いつまでいるかわからない人からここにいる人に変わったという大きな変化もありました。
女性の活躍再定義をコンセプトにしたセミナーへの登壇したり、他にもコラボの機会や登壇の機会をいただいています。
そして特に大きかったのが商工会議所との繋がりができたこと。キャリアコンサルタントとして地域の事業主の個別相談に乗ったり、セミナーをしたり、「あぁ、やってきたことは形を変えてこう繋がるのか」「純度100%のやりたいことを仕事にすると言うのはこういうことか」と腑に落ちた経験でした。
二拠点生活3年目にしてようやく落ち着いて自分のペースで無理なく面白みを感じられるところまでやってこれました。もちろんそれぞれのフェーズで面白さはあったんだけど、「落ち着いて、自分のペースで、無理なく」がポイントで焦りややりたくないことに無理したり、無駄にストレッチしたりしなくなった。ここがPhase3の大事なところ。
越境体験を楽しむための5要素
柔軟な働き方・制度
私の勤めるコンサルファームには柔軟な働き方をするための制度があったこと、コロナをきっかけにリモートワークが可能になったこと(今までも可能だったんだけどちゃんと使われるようになった)まず、これがあったからこその二拠点生活だったのは間違いないです。
・周囲の理解
「制度があるから使いました。なので文句はないよね。」と言うスタンスだと上手くいかないのは目に見えていたので、同じプロジェクトの人とはある程度の時間をとってしかも継続的に働き方について話しました。
それは二拠点生活を始める前にいろんな方からお話を聞いたのと、始めた後も困ったことや要望を聞いたり、こちらからもこうしたい、ここは長野に滞在したいといった要望もしっかりお伝えし落とし所を探った形です。
コンサルファームはプロジェクトが変わると働くメンバーも働き方も変わるのでその度に色々とお話をしていて、それは今も継続しています。
今はもう「二拠点生活をしている人」と言うイメージが定着したので、いつ東京にいていつ長野にいるのかといったスケジュールの話が中心になりました。
ここまでは企業側の話、一緒に働く人との話です。
ここからはその上で個人の3要素
・内発的動機
まぁ、一拠点でも生きていけるのにあえて二拠点で生活するのだから、内発的動機づけに紐づいているのがその場を楽しむ最高・最強の要素だと思います。
多様なバックグラウンドの人が集まる場では、「どんなことがしたいの」「なぜここにいるの」とかなりストレートで本質な会話することが増えます。
ここにいるWHYが共通の話題の一つです。とにかく、WHYを聞かれる。WHYハラスメントと言葉ができるくらい聞かれます。
とりあえず二拠点生活を始めてそのうちだんだんとWHYが明確になるとも思うので初めから持ってないといけないかというと違いますが、何かしらの仮説があるに越したことはないです。
・コアスキル
「あなたは何ができる人ですか?」の問いに自信を持って答えられますか。それは企業や地域を越えることのできるポータブルスキルでしょうか。
あなたの仕事は結局何をする仕事ですか。を掘り下げて行ったコアの部分です。これを言語化すること(きっと皆さん何かしらのコアスキルを持っていますが言語化ができていないと言う前提を私は持っています)が2つ目の要素。
バックグラウンドの違う人たちと何か取り組む時、全体を俯瞰して仕事を采配できる人がいるとは限りません。いないことの方が多い。なので、私はこう言う人でこんなことができますとプロジェクトに入っていって動き始めないといけない。そうすると自分自身が自分を知って伝わるように話せる必要があります。切実にあります。
私の話をすると、私のコアスキルは混沌としたところをある程度整理してこの先の道筋を見つけていく、この突破力がコアスキルです。いろんな人との会話から出てきた今の所の解です。
・リスキル
その上で、リスキルです。コアスキルを活かしてその地域で関わる人達が欲しいと思っているスキルは?と言う視点で変形させたり領域を伸ばしたりする必要があります。今までの強みをアンラーニングして新たに装着する類のものではなく、純粋に守備範囲を広げていくイメージです。
突破力をコアスキルにする私が越境体験でリスキルした部分は、できた道筋に周りを巻き込んで進んでいくための、伝え方・人の動かし方・一歩踏み出すためのタスク設計だったように思います。
それでなくてもちょっと壁のある越境人材。今までの伝え方お願いの仕方では物事はなかなか進みません。この辺りを時に強引に時に柔軟に表現の幅を広げてきた気がします。
越境体験で何か変わったのか
変わったことを色々とお話はしましたがここでは2つほど。
一つは自分の経験・スキルに自信がつきました。これが一番大きかったと思います。最初は自分は何者なのか、何ができるのか悩んだ時期もありましたが、一周回って自分のやってきたこと・スキルが言語化されてそれが周りに重宝されると自信につながりました。これはコンサルファームの仕事にも生きていて、周りに埋もれていくような感覚が今まではありましたが、私はユニークな体験をしてきた人間なんだと企業の中でも自信を持ってプレゼンスを発揮できている気がします。
その結果として会社の評価をあまり気にしなくなりました。もちろんいい評価をもらうと嬉しいけれどそこだけが大切ではない。と思えています。
二つ目は会社へのエンゲージメントの上昇。
企業側の視点を持つと二拠点生活や越境体験をすると社員が会社を離れてしまうのではないか、と心配があるのかなと思います。が、結果は逆でエンゲージメントは上昇しました。
二拠点生活・越境体験をさせてくれる環境を提供してくれた会社への感謝の気持ちや愛着は増しました。また、この越境体験を通して自信を持った私が活躍できる場を提供してもらったり、社内での発信の場をいただいたりしており、その機会があることで働くモチベーションが高まっていると感じています。
改めて思うこと
越境体験。1時間なんてあっという間で話し始めたら他にもあんなことやこんなことがあったなぁと思い出されました。
この先1年後にどんな生活をしているのかは全く想像がつかないけど、もう東京一拠点の生活はイメージがつかない。そして長野一拠点の生活もイメージがつかない。どこで何をしているか、自分自身でも楽しみです。
あと直接は関係ないけど、やっぱり人前で話すのって楽しいな。と言うことをしみじみと感じました。終わってから感じたのは疲れでも・緊張感でもなく「楽しかった。なんか元気出た」と言う感想。
私の経験が誰かの新しい気づきになったり背中を押したりできることが心から楽しいなと思います。
水滴が水に落ちて波紋になるように、話したことが誰かの何かに響いたらこれ以上に幸せなことってないなと思っています。
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