恋文 ずっとあなたが好きだったのかも
これの記事は
三羽烏様の恋文求ムの企画に公募のへんてこな手紙です
いつもへんてこですみません
お世話になります三羽様
こんなわたしを見捨てずなにとぞよろしくお願いします
あなたに初めて会ったのは中学1年生の時だったよね
わたしが国語教師に夢中だったことを
ただひとり感づいていて
「馬鹿だな~本気なのか?おまえ!先生のことはみんな好なんだよ」
とからかったけれど
わたしの想いが他の人とは違うものだと気づき
その危うさを察知して本気で心配してくれた。
今になって痛いほど分かる優しさ
ほんとありがとうね。
それから毎年クラス替えがあったのに
なぜだか3年間同じクラスだった
あまりしゃべらないわたしだから友達は少なかった。
あなたは意外と人気者で
あなたが側にいてくれることで
わたしは小学校の頃のように虐められることもなかったよ
ほんとありがとうね。
べつべつの高校に通うようになって
夏休みのまえ
午後4時!
校門の前にあなたがいてびっくりしたよ。
「学校に慣れたか?一緒に帰ろうや」
と、別に大した話もせず家まで並んで自転車をこいだ。
最後にひとことぼそり
「今度の日曜日、サッカーの練習試合があるけど観にこん?」
その日は
高校野球の応援に駆り出される日だったからあっさり断った
ほんとごめんね。
それからあなたは広島へ
わたしは神戸へと町を離れ
4年間は音信不通
それぞれいろいろな経験を重ねたよね
たぶん・・・
卒業して
地元のガス会社に経理事務として就職したわたしは
JAの職員になったあなたに5年ぶりに再開!
「おお~就職したんや!良かったな~」
と自分のことのように喜んでくれた
隣りに今の夫がいたので
それだけ言って
名刺を差し出し、手を高々とふって去った
もっといっぱい話したかった
あのときはほんとごめんね。
それからまた何年も経ち
両親が弱ってきたころあなたと再会した
両親は地元のJAさんに
農業共済のことや年金のことをすべて任せていたようだ。
両親の面倒までみてもらって
ほんとありがとね。
あなたが職場を去る年
還暦の同窓会がひらかれることになった
「僕と一緒に幹事してくれん?
ほかにも森ちゃんと坪ちゃんと渋と5人やけんできるよね」
病気のことは母から聞いたくせに
そんなことは知らないっていう風に
さりげなく誘ってくれた
ほんとありがとうね。
今もたまに訪ねてきて
「何を植えとんですか?」って
今度は夫の話し相手になってくれてる
夫はわたし以上に出不精で
きっとそれも分かっているんだね
ほんとありがとうね。
どこかでどちらかが少しでも男女の雰囲気を出してたら
きっと今はなかったよね
わたし
もしかしたら
ずっとあなたが好きだったのかもしれない
それは50年の長い間
わたしを見放さず寄り添ってくれた大切な友だから・・・
本当に 本当にありがとね
そしてこれから先もよろしくお願いします
見出し絵はpasutetaimeさんのイラストです
どうもありがとうございました
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