自由詩 生きる
流され易いわたしは
いつも見失う
いちばんたいせつなものを
子たちがそれぞれの場所に戻り
また2人だけになった
静かな午後
いつものシャム猫が
2匹の子猫を連れてやってきた
少し前まで
むさぼるように食べていた母猫は
今日は子猫に器を譲った
この後
この子猫は
ひと回り小さい妹猫に
器を譲った
この猫は何度子を産み
何度子を失ったのだろう
だが、母はただ強く
死が訪れるまで
生を全うする
命あるものが
本来持っている
生とはこういうものだろう
この光景を見つめながら
わたしは
ようやく本来の自分を取り戻してゆく
一番大切なものは何か
はっきりと思い出した
守るべきものとともに生きること
それに勝る夢はないと
母猫の子たちを連れて松の内
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