#12 塾の必要性
今回は塾の必要性について考えていきたいと思います。
いきなりですが、塾は必要でしょうか?
この答えは当然様々だと思いますが、
私は「目的を達成するための手段」とするのであれば、
塾はとても良いものだと感じています。
ここで大事なのは目的が「誰にとっての」か、
というところです。
私も塾講師でしたので、様々な子どもたちを見てきました。
様々な理由で塾に通っていた生徒がいます。
・成績が落ちてきたから
・もっと学力をつけていい高校にいきたいから
・友達に誘われたから
・親が行けといったから
などなど
これらの理由を見てあなたはどのように思いますか。
上の2つに関しては「目的を達成するための手段」になりえるかと思いますが、
下の2つは目的が塾になってしまっていると思いませんか。
もちろん、最初の目的が塾に行くことでも、
そこから真の目的をもって成績を上げる子もいると思いますが、
大半は友達と楽しく勉強できることに満足したり、
親に怒られないためにとりあえず通うことに満足して終わってしまうと思います。
逆に上の2つでも次の目的が「誰にとっての」かによって、
同じことが言えます。
成績が落ちてきたから何とかしたいと親が思っているだけだったらどうでしょう。
もっと学力をつけていい高校に行きたいと親が思っているだけだったらどうでしょう。
結果は塾に通っても大きく変わらないでしょう。
ですから、お分かりいただけたと思いますが、
「子どもが目的を持って、それを達成させるために通う」のであれば、
塾は大きな役割をもたらすでしょう。
なので、塾に通うために必要なステップとしては、
①子ども自身がなぜ勉強するのかという目的を明確にする
②その目的のために塾が必要と子ども自身が思えるかを考える
③目的にあう塾を探す
④体験した感想をもとに子どもの目的が達成されそうかを考える
⑤入塾する
という流れになるかと思います。
一つずつ見ていきましょう。
①子ども自身がなぜ勉強するのかという目的を明確にする
やはり子ども自身が何のために勉強するのかを理解しないままでは、
勉強を苦行としか感じなくなります。
将来自分はどういう人間になりたいかというのを考え、
勉強がそれにどうつながるかをきちんと納得することが大事です。
もちろん一人で難しい場合は親と一緒になって考えるのが良いでしょう。
②その目的のために塾が必要と子ども自身が思えるかを考える
①が明確になったら今度は塾という手段が、
その目的を達成するために必要かを考えていく必要があります。
例えば英語だけ強化する必要があるという結論が出たのであれば、
塾ではなくても英会話スクールでどうにかなるのではないか、とか、
家庭教師でもいいのではないか、という話になったりするわけです。
塾という手段が適切かどうかをしっかりと考えましょう。
③目的にあう塾を探す
塾にもそれぞれ特徴があります。
そもそも個別指導なのか集団授業なのかというところも含めて、
その子の性格や特徴に合わせて適切な塾を探す必要があります。
大概は体験ができると思いますので、
きちんと体験をして子どもがどう感じたかを確認しながら進めるのが良いでしょう。
また、大手と個人経営でも変わります。
大手は異動が考えられますので、体験した先生の授業が良くても、
必ずしもその先生の授業をずっと受けられるわけではない、
ということはきちんと考えておく必要があります。
④体験した感想をもとに子どもの目的が達成されそうかを考える
体験を終えたら感想をしっかりと確認して、
子どもが頑張れそうか、目的を達成させられそうか、
そういうことを一緒に確認しながら検討するのが良いでしょう。
⑤入塾する
納得できる塾が見つかれば入塾となりますが、
ここでも入塾して終わりではなく、
子どもの状況をしっかりと確認していくことが大事です。
特に3ヶ月後くらいになるとだんだんとトーンダウンします。
そんなときも勉強の目的を振り返り、
なぜ塾に通い始めたのかというのを一緒に振り返ってあげることで、
子どものやる気を継続させていくことが大事だと考えています。
塾に通ったら大丈夫、とは思いこまず、
通わせる側の責任も持ちながら進めていけるとよいでしょう。
いろいろ書きましたが、
塾をプラスにするのも、マイナスにするのも、
「子どもが目的を持って、それを達成させるために通う」
ことができるかどうかではないかと思っています。
習い事でもそうですが、
子どもがやりたいと思わなければ継続は難しいでしょう。
また、途中で壁も出てくると思いますが、
その時も一人で越えさせることも大事ですが、
話を聞いてあげるなどの寄り添い方は必要です。
そのように親子が一緒になって、
塾という手段を最大限活用できるようにしてもらえればと思います。