営業のドリームチームを作った結果 #32
企業のドリームチーム
ある企業がイベント販売を専門に行うドリームチームを作った際に、上司Aが行ったチーム編成が社内で話題になっていた。
上司Aは店頭販売以外でも収益を出す為に、イベント販売を行う事にした。
ドリームチームとは1992年バルセロナオリンピックに出場したアメリカのバスケットチームの公式ニックネームだ。
年代的にNBAのスタープレイヤーが集まって金メダルを取るまでのプロセスを思い出して考えたのだろう。
NBA史上屈指のスタープレイヤーを各チームから集めた事を真似て、各営業所から営業販売No.1だけを集めてイベントチームを作成した。
実績はどうなった?
営業成績が高いスタッフだけを集めただけあって、通常のイベント時と比較して、成約率は通常スタッフが開催した時の倍はあったはず。
だが成約率は倍あったとしても、成約数は通常スタッフの方が高かった!
理由としてクロージングは確かにドリームチームの方が高いのだが、店舗を構えている場合と違っていた。
通常であれば、お客様は多少なりでも商材に興味がある為、店頭に来店され相手から商材について「聞かれる」のだがイベントは勝手が違うのだ。
まずは話を聞いてもらう為にキャッチからスタートして行く必要があり、相手へ商材について「聞いてもらう」事ができていない。
クロージングが苦手でも関係構築が得意なスタッフの方が、キャッチは得意だったりする。
結果として大した結果も出ないまま上司Aは、スタッフに怒りをぶつけている。
結果として
トップランカーが脱ける事で、各店舗の売上は激減して閉店する店舗も出てしまった。
人件費についてもトップランカーの人件費は当然高いのだが、費用を賄うほどの収支を上げる事もできずにいる。
上司Aについても今更ドリームチームを解散させる訳にはいかず、人件費を店頭での売上で賄う自転車操業を行なっていた。
編成時に社員Bから適材適所があると提議されるが、自分の編成したチームが悪いわけがないと意見も取り入れず1年間稼働した結果で毎月の赤字と1店舗閉店となり、全国の販売店の中でも上位にいた店舗ですら下から数える位置まで落としている。
どうするべきだったのか?
NBAのドリームチームも同じポジションだけを集めている訳ではない。
野球で言うなら12球団の中で最高ピッチャーを集めたチームで戦おうとしていた上司Aだった。
各ポジションの中で最高のメンバーを集めれば、NBAのドリームチームのように、常勝チームになっていたのかもしれない。
提案販売であれば、キャッチ・クローザー・ディレクターの役割は最低でも確保している必要がある。
更にサポートで契約書類に詳しいスタッフや、気配りのできるスタッフなどを合わせてチームとして会場の雰囲気や実績を作るべきだった。
最後に
実質トップの上司Aは全て自分が正しいと思っているタイプで苦言・提議は自分の敵対行為だと捉えるタイプでした。
自分に対してイエスマンは評価が高く、意見を言うスタッフは評価は低く会議でも標的にされてしまうくらいです。
そもそも現場にいない管理職が編成を独自に行なった事が問題点で、実際に各店舗からも、販売トップが脱けてしまうと実績に影響があると苦言があったそうです。
店舗の閉店は、今までの投資金額も莫大ですがスタッフの人生も狂わせる事になりかねない重大事項です。
年度内に全体の1割は自主退社をする予定と噂で聞きましたが、上司Aだけは直前になって聞く事になるみたいです…