![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/44744393/rectangle_large_type_2_5149741136d343b0dacc7578803dda3b.png?width=1200)
【トレーニングの基礎知識】ヒップヒンジを理解してBIG3の質を最大限高める
こんにちは、トレーニングラボのノリです。
今回は、トレーニングをしていく上でとても重要な動きである『ヒップヒンジ』について解説をしていきます。
ヒップヒンジとは、「股関節」を軸に上半身と下半身を分けて行う運動のことを言います。股関節がヒンジのような働きをして、主に体の後面にある筋肉達を効率よく働かせる役割があります。
このヒップヒンジが出来ないと、スクワットやデッドリフトなどのBIG種目、さらには、バーベルロウといった背中のバーベル種目を適切なフォームで動作を行うことが出来ません。
今回はこのヒップヒンジの必要性について解説をしていきます。
ヒップヒンジにおいての関節や筋肉の使われ方
ヒップヒンジの動作は、「股関節」を軸に下半身を固定させて上半身を屈曲していく運動になります。主な関節は「股関節」ですが、股関節以外にも動作を安定させるために体全身を使う運動になります。特に上半身・下半身ともに後面にある筋肉達が常に使われていきます。
このヒップヒンジの「スタートポジション」から「ボトムポジション」に移動しながら使われる筋肉は、主に「大殿筋」と「ハムストリングス」です。これらの筋肉は、股関節の伸展(脚を後方に移動する)の作用があり、上半身が屈曲していく際には『遠心性収縮』により、大殿筋とハムストリングスが活動していきます。
遠心性収縮(eccentric contraction)とは、『筋肉が伸長されながら行われる収縮や運動』のことを言います。これを用いたトレーニングの種目をストレッチ種目と呼ばれたりしています。(例)ダンベルフライ・ルーマニアンデッドリフト
ただ、【遠心性収縮≠ストレッチ種目】なので注意が必要です。
そしてボトムポジションからスタートポジションに戻る際には、大殿筋やハムストリングスの張力が最大限強くなったポジションから収縮することによって、上半身を伸展させてスタートポジションに戻ることが可能になります。
このヒップヒンジの際に起こる筋肉の使われ方は、姿勢を維持する際に重要になっていきます。
ヒトが立っている姿勢というのは、常に重力に対して対抗する力が働くことで立位を維持し続けることが可能になります。この姿勢を維持する際に使われる筋を『姿勢維持筋』と呼ばれています。
特に、体の後面にある筋肉達が姿勢維持筋として機能することが多く、ヒップヒンジのときに使われる大殿筋やハムストリングスも姿勢維持筋としてとても重要です。
そして、この姿勢維持筋を強化する際には、筋単体で強化するよりも複合的に強化することにより、運動連鎖が働き姿勢維持筋として機能させることが可能です。
なので、姿勢維持筋を強化する目的で「ハムストリングス」を鍛えるためには、レッグカールを行うよりも、ルーマニアンデッドリフトを行う方が効果的です。レッグカールでは、「ハムストリングス」を単体でしか鍛えることしかできませんが、ルーマニアンデッドリフトではハムストリングス以外にも大殿筋を強化して、フォームを維持するためには上半身の体幹部や上背部を固定させる必要があります。これらの力を同時に使うことで自然と姿勢維持筋として強化することが可能になります。
さらには、ヒップヒンジの「遠心性収縮」が行われることで、より自然に筋肉が使われていきます。日常生活で歩いたりしゃがんだりするときには、ハムストリングスは「遠心性収縮」により使われることが多いです。レッグカールでは、「求心性収縮」によって最大限使われるため、姿勢を維持するためのトレーニングとしては有効ではありません。
あくまでも、ハムストリングス単体として鍛えるのであれば、レッグカールは有効ですが、姿勢維持筋として鍛える場合、ヒップヒンジを使ったバーベルトレーニングを行うことが重要になっていきます。
ヒップヒンジとバーベルトレーニング
ヒップヒンジを用いたトレーニング種目の代表は「デッドリフト」です。股関節を中心に上半身を伸展させる運動になります。特に2nd pull でヒップヒンジ動作が使われていきます。
他にも先程解説した「ルーマニアンデッドリフト」では、「ヒップヒンジ」を用いてさらに強化させる為には最適な種目です。スタートポジションからボトムポジションにかけて、常に「大殿筋」と「ハムストリングス」の遠心性収縮が働きます。
デッドリフトのフォームを習得するのが難しい場合、このルーマニアンデッドリフトによるヒップヒンジの動きを完璧に習得してから、再度デッドリフト行うことで効率よくフォームを習得することが可能になります。
次にバーベルロウです。バーベルロウは背中を鍛えるトレーニング種目の一つですが、最初のスタートポジションでは、股関節を屈曲させその姿勢を維持する必要があります。この姿勢を維持するために、大殿筋とハムストリングスを常に収縮させ安定させる必要があります。
このようにバーベルトレーニングを行う際には、ヒップヒンジ動作の習得することが不可欠になります。
このヒップヒンジができない方は以上のようなトレーニング種目を正しいフォームですることが出来ずに、下半身ではなく腰で支えるような姿勢になっていきます。
ヒップヒンジの練習方法
ここからはヒップヒンジを手に入れるための練習方法を解説をしていきます。
①自体重ヒップヒンジ
まずは自体重で行う練習をしていきます。立位で軽く胸を張ってお腹を膨らませながら息を吸います。上半身が安定したら膝を軽く曲げて股関節を中心に上半身を前に倒していきます。
このときに膝がつま先をよりも前に出ないようにしましょう。ハムストリングスが適度に緊張して姿勢が安定していきます。そのまま倒して腰が丸くならないところまで上半身を倒していきます。
腰が丸くなった時点で代償動作が入ってしまい、ハムストリングスの緊張が抜けて股関節を軸に動かせなくなります。
②チューブヒップヒンジ
次にチューブを使って練習をしていきます。自重ヒップヒンジと比較すると抵抗を感じるので、下半身で踏ん張る感覚を養いやすいです。上記で紹介したトレーニング前に「チューブヒップヒンジ」を行うことで、ハムストリングス・大殿筋・上半身の運動連鎖を向上するウォームアップとして有効です。
まず、地面に近いところで弱めのチューブを固定させます。パワーラックの下や安定できるところで安定させます。
下の画像のように、股の下からチューブを引っ張り支えます。姿勢が崩れやすいので、フォームを維持できるように上半身を安定させます。特に女性に多い間違いが反り腰になってしまうことです。過剰に腰が反ってしまうと骨盤が前傾してしてしまい、動作を行う際には股関節を軸に動かすことが出来なくなります。
そして、スタートポジションから膝をほんの少し曲げて、股関節を軸にお尻を後ろに落としながら上半身を前に倒していきます。そのまま腰や股関節の限界を迎える手前で一度止まり、そのまま殿部とハムストリングスで上半身を起き上がらせます。
このようにチューブを使うことで下半身で踏ん張る感覚を養うことが可能になり、バーベルトレーニングの質を高めることが可能になります。
まとめ
ヒップヒンジは股関節を軸で動かす運動で、バーベルトレーニングを行う際には、重要な動きになります。デッドリフトやルーマニアンデッドリフト、他にもバーベルロウなどの種目で腰に痛みが出たり、フォームが不安定な場合、一度試してみてください。
上記で紹介したチューブは下記で購入することが出来ます。
さらに、ハムストリングスが硬くて出来ない方は下記の動画を参考にストレッチをしていただくことで、動作を習得することが可能になっていきます。さらには動画にてヒップヒンジのやり方について解説をしています。
【腰痛予防】デッドリフトが上手くなるための秘訣【ヒップヒンジ】
いいなと思ったら応援しよう!
![ノリ / トレーニングラボ](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/41608943/profile_42f27ab9667818a002db181ef5666723.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)