コロナが収束したら、応援団のトランペットとともに応援歌を歌いたい
“共に戦おう”
広島東洋カープは常に選手とファンで共に戦ってきた。「カープ女子」という言葉が流行ってからは、マツダスタジアムだけでなく、ビジターでもレフトスタンドが真っ赤に染まるようになった。
※2018年日本シリーズで撮影したもの(@PayPayドーム)
真っ赤に染まったビジターの球場といえば、ずっと忘れられない光景がある。それは、2013年のクライマックスシリーズ(CS)に3位で初出場したとき。対戦相手は2位の阪神タイガース。阪神ファンも熱く、いつも甲子園は阪神ファンでうまるから、カープは完全にアウェーだ。圧倒的に不利な状況だけど、初めてのCSだし、それだけで満足だった。
だけど、いざCSが始まったとき信じられない光景がテレビに映っていた。阪神ファンでうまるはずの球場で、レフトスタンドが真っ赤になっていたのだ。その瞬間なんとも言えない気持ちというか、目頭が熱くなったのを覚えている。
その光景に力をもらったカープは2位の阪神に対して、2連勝した。この勢いもあってか、カープファンは一気に増えていった。
さらにカープファンを加速させたのが、黒田の男気復帰。これは後にも先にもうまれない伝説だろう。その翌年から3連覇するなど、カープは奇跡ともいえることが連続で起こっていた。
土日はもちろん、平日でも真っ赤に染まる球場。昔のように当日思い立ったら行こう、というのはできなくなったが、真っ赤なスタンドを見るたびに誇らしい気持ちになっていて、いつの間にかファンの応援している姿を写真に撮るようになっていた。
※横浜スタジアムにで撮影
きっとそんな光景をカープの選手たちも力にしていたはず。緒方前監督はカープには10人目の野手がいると言っていた。野球は9人で行うものだが、10人目はカープファンのことを言ってくれていた。それくらいカープファンの応援はすごいものがあった。
その応援の中心にいるのは、真夏の炎天下のなか、常に引っ張ってくれていた応援団。大きな太鼓でリズムをとり、大きな旗を降って、大きな声とトランペットで応援歌をリードする。チャンスになるとチャンステーマが流れ、少しずつ音も速くなって相手にプレッシャーを与えたり、一人ひとりに気持ちを込めて応援歌を歌ったり……。小さい頃から何となく応援団のトランペットを聞いて育ったからか、私には応援団がその場で奏でる応援歌が心地いいのだ。
新型コロナウイルスの影響で観客が入れなくなり、応援歌も歌えない状況だけど、収束したら大きな声で応援団と共に歌って戦う日々を送りたい。そうすれば、きっとまた強いカープが戻ってくる。それまで、静かに応援しようと思う。
※マツダスタジアムにて撮影
また、球場でカープと応援団とファンが共に戦える日が戻ってきますように。