乗越たかおダンスマガジン評論集 【お試し版】 17
本書は2013年11月号から、2023年3月号までダンスマガジン誌(株式会社新書館発行 https://www.shinshokan.co.jp)に掲載された乗越たかおの舞踊評論をまとめた「集成版」のお試し版です。
1パックに評論が4本入って各300円とお値打ち価格で、気になる演目だけ読むのも可。第一弾は全21+1パックのラインナップで約10年間の流れがわかります。
※無断複写・転載を禁じます。この資料は、許可なく公開、書き換え、または再配布することはできません。
チャイロイプリン『桜の森の満開の下』
(初出 ダンスマガジン 2021年6月号 約1000字)
スズキ拓朗は独特なスタイルの作品を創り続けている。歌ありセリフあり、演劇的な手法を大胆に使いながらダンスの魅力もしっかりと保持するバランス感覚の舞台は、幅広いファンを獲得している。今回は坂口安吾の代表作のダンス化に挑んだ。
原作は昔話風に語られ、山賊(スズキ)と妖艶な美女(エリザベス・マリー)による残酷なシーンも多い。しかし舞台上に置かれているのは、公園や桜の木を思わせる、ポップで幾何学的な舞台美術なのだ。
冒頭に踊る出演者全員の額には天冠(白い三角巾)がつけられており死人だとわかるが、
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