【ボイトレ・脳トレ・シニアライフ】第9話
7月も後半になると、体温以上の気温が連日続き、さすがのBincoも、ばて気味の日々を何とか乗り切っていた。
何時ものように、所沢駅行きの炎天下のバス停で10分程待っている間に、Bincoが突然へなへなと倒れ込んでしまった。
身体は火照って、滅茶苦茶熱い。典型的な熱中症の症状である。
近所の親切なおうちから、水・タオル・椅子を提供され15分ほどでゲロ・脱糞に見舞われ、その後急速に気分が回復し、徒歩5分の自宅に辿り着いた。
ところが、症状がすっかり回復した一週間後に、今回は自宅内で救急車をお願いする緊急事態に見舞われてしまった。
救急車内では救急搬送の方がしきりに彼女に問いかけている。
生年月日は?
現住所は?
電話番号は?・・・
89歳の割にはテキパキ返事を返していた。少し安心できる状況のように思えた。
10分後に到着した救急病院での診断結果は最悪!コロナ陽性+熱中症と宣告される最悪の結果だ。
おまけに、俺自身もPCR検査で陽性を食らってしまった。
2人共、人生初めてのコロナ感染である。
健康オタクの俺の不注意で高齢者を最悪の病状へ追い込んでしまった後悔と不安感で過ごした5日後、全快の連絡が本人のケータイから入り、思い切り胸をなでおろした。
生まれて初めて、天に昇る浮遊感を味わわせてくれた一瞬だった。
一般的には絶体絶命の高齢者コロナを難なく乗り切ったBincoには、並大抵でない呼吸免疫力が備わっている事を再認識させてくれた。
ボイトレ・脳トレ・シニアライフがBincoの寿命を更に伸ばす事を願って仏さまに、合掌するのみ!」
B♡「私は、早く家に帰りたかっただけだから、感染の事はあまり覚えてないわ。何時ものようにカラオケ出来ないので、Noriに電話してみたのよ。退屈な病室生活つまんないのよね。」
N♠「今回の感染体験は、ボイトレ・脳トレ・シニアライフの流れの中では貴重な気の流れを再認識させてくれた出来事だったけど、結果オーライの神だのみだったよ」。
こんな時、人は手を合わせて何かにお願いする合掌のポーズをとりますよね。柔らかく脱力しながら手のひらを合わせる時に出来るスキマは、声帯のスキマが息を吸い取られて、真空状態になりピタッと密着する現象と同じです。
この両手の合掌状態が声帯の合掌と同一ですから、意識の片隅にしまって置くと、声の成り立ちが見えて来るかも。
この声帯スキマを腹式遠隔操作で出来るとボイトレは進化を始めます。
何かをお願いする時に、心を込めて仏様に手を合わせる仕草はボイトレその物です。
【数学好きの方の為のボイトレ数式コーナー】
声帯のスキマは半球と半球の合体面です。合体面はπr2の2次元です。
円の中心点が息の出入口ですから、息の流れは渦を巻くのが自然の振る舞いです。
2次元渦巻が完成すると中心点呼吸に無駄が無くなります。複素数球体の合掌から導かれる左右軸・上下軸・前後軸の意味合いを追求すると合気に通ずる気の流れと筋力の相関性が見え始めます。
息と脱力の関係性を繋げるキッカケとして複素数球体を大いに活用しましょう。
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