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長靴をはいたネコと9つの命

こんにちは、ライフコーチの秋山のりこです。

私は現在6歳と2歳の男の子の母親です。
春休みに入り長男にせがまれて、数年ぶりの映画館へ行ってきました。
長男が見たいと言った「長靴をはいたネコと9つの命」です。

価値観やミッション(使命)について思うことがあったので、感想文を書きたいと思います。

ここから先にはネタバレがありますので、知りたくない方はBackをお願いいたします。





テレビCMも見ておらず、まさにミリしらで観に行ったのですが、
タイトルを見て思っていたお話とは全然違いました。

鑑賞後、映画のHPを見たのですが、映画シュレックのスピンオフ?らしいですね。

シュレックも見ていないので、何の前知識もなく、「長靴をはいたネコ」はお父さんの遺産としてネコを貰ったあの物語の話だと思っていました。

なので、私はあの粉ひきの男の元を離れた、長靴をはいたネコがこの映画の中で命を一つづつ失っていくのかなと思っていたんです。

賢いネコが華麗な活躍、正義の戦いの末に信念を貫くために1つずつみたいな……。


そしたら、全く違っていて、すでに8つの命を使い果たして残り一つになるところからストーリーが始まりました。

長靴をはいたネコ、傲慢で不遜な彼は名前をプスと言います。

映画を通して一番の盛り上がりは冒頭でした。プスが歌って踊って巨大な敵を倒す! 

かっこよかったです。

ところが、巨大な敵を倒し、街の人たちの歓喜の渦の中ヒーローになった次の瞬間死んでしまいます。

次に目が覚めた時、プスは自分の命の残りがあと1つしかないことを知ります。

それまでは、無敵なヒーロー。熱狂する民衆に、不敵に笑みを浮かべレイピアを自在に操って戦い、飲んで、歌って人生を最高に謳歌するヒーロー。



なのに、次に死んだら二度と蘇ることはできないことを知ります。

その時から、彼は完全に引退したしょぼくれネコになってしまいます。

もう不敵な笑顔で巨大な敵に立ち向かうことはできません。

もう二度と心躍る冒険の旅に出ることもありません。

だって下手したら、すぐに死んじゃうから。


ネコおばさんのホームシェルターみたいなところに身を寄せ、レイピアも失い、自分の信念や美学を捨て去り残った命を守ることだけを考えただ生きています。

しかし、そんな無為の日々を過ごしている中で、「願い星」に願えばあらゆる願いが叶うことを知ります。


彼は再度冒険の旅に出ることにします。

「9つの命を取り戻すために」

そうすれば、彼は無敵のヒーローにまたなることが出来るのです。



その途中で、様々な出会いがあります。

悲惨な生い立ちなのにユーモアと優しさいっぱいのチワワ

自分が昔捨てた恋人ネコのキティ

3匹のクマを従えた少女(童話のあのクマの家族です!)

自分の欲望に忠実なパイ企業の大男

プスの命を狙い続ける賞金稼ぎの狼



チワワ以外はみんなそれぞれ叶えたい夢があります。

みんなそのために願い星に通じる地図を奪い合います。


この叶えたい願いにそれぞれの価値観が反映していて面白かったです。


特にプスは9つの命を取り戻して再びヒーローとして活躍できる自分になりたかった。その一方で、
昔の恋人キティは「たった一人心から信頼できる相手」を求めていました。

男性はいつだってヒーローになりたがって、女性は信頼できる人と生きていく事を望むのかも。



プスは結婚式当日にビビッて式場に行くことなく、姿を消していますが、
物語が進む中で実はキティも結婚式場に言っていなかったことが判明します。


理由はたった一つ「プスの一番になれないことが判っていたから。」


いつだって彼の一番は自分自身だったのです。


残り1つしかない命だとわかった瞬間に、プスは無力感いっぱいになります。

一つしか命がないから、冒険できないのでしょうか?
一つしか命がないから、挑戦できないのでしょうか?


ネコ以外の生き物はみんなそのたった一つの命しかないのに。



私はコーチとしていろんな人と出会いますが、

新しいことに挑戦したい

冒険したい

と思っている人はたくさんいます。


でも、そうは思いつつできないでいる人も少なくないです(セッションに申し込んでくるのはやっぱり『やりたい』気持ちが大きいからだと思いますが)。


私自身も挑戦するときに躊躇ったり、怖くて立ち止まりそうになることがあります。


そんな時にはやっぱりコーチングが有効です。


マイコーチとのコーチングを通して「本当はどうしたいの?」ということを深堀していく事で、
挑戦した先に得られるもの、逆に失うものなどをしっかり認識することが出来ます。


例えば、挑戦することで新しい自信も収入も得られるかもしれません。
一方、忙しくなって余暇の時間を失うかもしれません。


例えば、ワクワク・ドキドキのやりがいのある仕事を得られるかもしれません。
一方で、安定を失うかもしれません。

どちらが正しいということは本人にしか判断できないものです。

コーチはジャッジしません。

もしかしたら、何も失わない方法があるかもしれませんしね。


私たちは9つの命は持っていないけれど、日々冒険し挑戦しながら生きています。

やり直しがきかないからこそ、慎重に進めなければならないときもありますし、時に大胆に勝負に出ることもあります。


個人的には、家族や全財産を失ったり、死んでしまうようなことがない限りは、やってみたいことはやりたいと思っています。(少なくとも1~3年分の生活費は確保しておいた方が良いとは思いますが)


得られる経験はそれ以上の価値があると思うからです。


映画の終わりでは、プスはたった一つの命を大切にしながら冒険を続けていく事にします。

自分がなりたかったヒーローに返り咲きます。

そしてキティも信頼できる人を得ます。

チワワは新しい名前と仲間(家族)を得ます。

クマを従えた少女も自分が一番欲していたものを手に入れます。


大男はそれまでの悪行のツケを払わせられ、狼は望むものが今は手に入らないことを知り去っていきます。



8つの命をわりとうっかり失ってきたプスはこれからはきっと後悔しないよう生きるでしょう。


たった一つしかない命だからこそ、みんなその使い道を悩み、考え生きていくんだろうなと思いました。




******

ちなみに、映画鑑賞後6歳の長男が微妙な表情だったので、どうしたのか尋ねてみたところ
「僕が思っていた映画と違った」
とのこと。
彼は長靴をはいたネコが9人の人と出会って冒険する話だと思っていたようです。

「ネコには9つの命がある」
という、言い回しを知らない人はそういう誤解もありそうですね。


余談ですが、プス役の声優さんが声優さんらしからぬ声の使い方で、誰だろう?って思っていたのですが、エンドクレジットで山本耕史さんということを知り、あぁ!!!ってなりました(笑)

上の子を授かってから映画館からは足が遠ざかっていましたが、
久しぶりの映画館はワクワクしました。

幸い平日の昼間で貸し切り状態だったので2歳の子がいたのですがギリギリセーフでしたが、まだ2歳児には正直映画は早かったなと思います。

彼らがもう少し成長して、一緒に映画を楽しめるようになるのも楽しみです♪

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