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画一化

 故郷に帰ると、道路の天井という天井がすべてアーケード化し、巨大な商業施設都市と化している夢を見た。

これまで見慣れていた景色が嘘のように、妙にキラキラしたファッションモールだったり、鳴り続けるハイソサエティなBGM、人工的に整地された公園、どこかのデザイナーが手がけたモニュメントなど、近未来的な様相で、以前の印象が微塵もない綺麗な空間に様変わりしてしまっている。

夢ならではの御都合主義なので、過疎気味で寂れた街並みも完全に面影をなくした今、老若男女まんべんなく、まったくどこから湧いてきたのか分からないくらいごった返す人たち。

長時間電車に揺られて降り立った先は、大阪の都心部とそう変わらない印象を受け、ただ翻弄させられた。

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 基本的に僕は「変わりゆくもの」に対して寛容的だ。よほどの文化遺産でもない限り、古いものをそのまま遺し続けるといった事などは、先住者たちのエゴだと思っていたりする。

ただ、街を興して過ごしやすくなる反面、結果的にどこに行っても画一的で印象が変わらない景色になってしまうと、さすがに味気ないな、とは思った。夢の中であれ覚えた寂寥感。

どの土地も風景が、まして空気感すら変わらなくなるのであれば、移動に意味を見出すのが今後ますます難しくなってくるのだろう。

構造の画一化がすぎるのも複雑だ。

今日はこんなところで。

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則宏史(noreason studio)
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