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Weyes Blood
『Weyes Blood』というアーティストにハマっている。
きっかけは、ランダムで流していたプレイリストからふと流れてきて、とても印象深かったからだ。最初はカーペンターズやキャロル・キングあたりの知らない曲が流れてきたんだな、くらいに思った。
ただ、素直な曲の良さの中に少しだけ感じる憂い、ダクネスな雰囲気に、どのアルバムの曲なんだろうと iPhone の画面をみたところ、"2019年リリース" という表記を見て驚いた。
えっ。こんなに最近の人だったのか。音像が非常に60年代後半から70年代のそれに酷似しているため、てっきり古い音源だとばかり思って聴いていた。
ポストモダンな曲調に傾倒するアーティストは数いれど、楽曲の構成といい本人の声質といい、ここまで忠実に再現できている人はそうそういない。
Weyes Blood(ワイズ・ブラッド)、ナタリー・ローラ・メリングは、1988年6月11日にカリフォルニア州サンタモニカで、ペンテコステ派のキリスト教徒の家族として生まれました。
音楽一家で育ち、彼女は2003年から "ワイズ・ブラッド" (1952年の小説ワイズブラッドに触発された)という名前のバリエーションで自分の作品を演奏しています。
(Wikipediaより引用かつ翻訳・再構成)
Wikipedia を見ても英文しかなく、日本では知る人ぞ知る、といった立ち位置なのだろう。でも、こういった当時に忠実な『バロック・ポップ』のような空気感はとても好きだ。
そう、僕はなによりも『空気感』を音の中に求めているんだ。
目の前の世界がぐにゃりと変わり、突然どこか遠くに連れて行かれるような感覚。自分の頭のなかで思い描いた理想郷の風景が、突然暴力的によみがえるような感覚。
どのようなジャンルの音楽であれ、"空気感" は匂いとして自分の五感に無意識に働きかけ、様々なインスピレーションの源泉を刺激する。
僕自身 '77 年生まれなので、実際に当時のソフトロックなどはリアルタイムで聴けた訳ではなく後追いで聴いていたのだが、さらに下の世代の彼女が奏でる曲の音風景が当時に忠実であればあるほど、より一層のリアルを感じ、素直に浸ってしまう。
究極のリアルを追求することが、かえって前衛的に聴こえる現象が心地良いし、この音像が現代にも存在することが嬉しい。
郷愁と未来の奇跡の融合が、彼女の曲にはある。
今日はこんなところで。
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