足助のおばさんと教育 87
図書館
足助が豊田市に合併する前、その図書館の蔵書の貧弱さにあきれました。読みたい本は全くなかったですね。児童書のコーナーは比較的充実していましたが、そのほとんどは我が家に同じ本がありました。
しかし、シナリオの勉強を始めて、資料のために本を探さなければならなくなった時、必要な本を全て買っていたら、お財布も持たないし、いくら広い我が家とは言え、置き場所にも困るなあ、と考えて、豊田市図書館(今あるめちゃめちゃ立派なのじゃなくて、前にあった小さなもの)に問い合わせたところ「豊田加茂広域図書館ですので、OKですよ」とすんなり貸し出しを承知してくれました。
私が、学校以外にも本を借りれる場所があると知ったのは、安城に住んでいた時です。安城に住んでいたのは小学校3年生の1年間だけでしたが、わりと中心部に住んでいたため、自転車でいけるくらいの距離に市営図書館があり、学校図書館とは違った重くてひんやりした雰囲気に圧倒されたものです。しかし、大人になって同じ場所を車で走ると、めちゃくちゃ車通りの多い道で、歩道が完備されていたと言うものの、小学校3年生の私がひとりで自転車で出かけていたとは、とんだ無茶をしていたものだと思いました。
その後名古屋に移って、鶴舞図書館へ市バスで通うようになり、その時に「小中学生室」という部屋が独立して設けられていて、以前書いたようにここでイギリス児童文学に出会うことになったのです。
当時はまだインターネットなど言葉も存在しない時代でしたが、名古屋市営図書館で借りた本は市内のどの図書館で返却することも可能で、高校生になってからは学校の近くにあった千種図書館と鶴舞図書館を時間の都合で両方利用するようになりました。
その経験があったので、豊田市の図書館が「参合館」として大々的にデビューした時、これを各分室から利用する手はないかと尋ねたところ、自宅のインターネットからでも本の検索予約ができることがわかりました。
ですが、私はすでに活字離れしたおばさんになってしまって、小説を読もうと言う気力がありません。1番最近読んだ小説は「キリシマ部活やめたってよ」です。それも途中まで。最近芥川賞を受賞された方が何かぶっきらぼうな物言いで文壇を騒がせているらしいですが、私にはもう縁のない世界になってしましました。(2012年2月9日 記)