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210609【日本-ウクライナ】
国際親善試合@エディオンスタジアム広島, 広島
8-0(4-0,4-0)
日本
4-4-2→4-3-3
ウクライナ
4-4-2
親善試合なので強化試合とも選考ともうたっていない。レベル差のある相手との試合が続いて、今日のA代表みたいに強めの相手と当たったら感覚の違いで前半を捨てるみたいなことにならなければとの危惧はある。
とはいえ単純に試合を見るだけなら勝った方が嬉しいのは事実で、むしろお冠だった相手の監督さんには同情を禁じ得ない。ただ正直、フルコンディションでお互いに戦ったとしても、最初のピンチでやられていたとしても、結果自体はそれほど変わらなかったのではないだろうか。
ボールを失った後に点を仰ぐ時間はもったいないと常に思っている。心情はもちろん理解できるし、普段ならそれもありだろう。ただレベル差があるとそうもいかないし、差があると感じてしまうからそうなるのかもしれない。取った側としては縦に付けやすくなるので、さらに力の差が刺さってしまう。ウクライナは序盤の15分くらいはその辺りの気持ちの切り替えの部分もできていたけれど、次第に薄れていってタームの終盤に連続失点だから。
点を取って欲しい人、結果を残して欲しい人はみんな結果を残したので、逆に選考の基準になったのか怪しい。監督からしたらポジティブなことなのかもしれないけれど。できれば、ボーダーがあってそこへ滑り込むことを目的にするよりは、ボーダーを上に設定して飛び越えていける選手を見てみたい。
岩渕のボレーは若干ブラインドになっていたと思うので、「触るだけ」なんてレベルではないだろうと。確かにきちんと当てればよかったのは事実なのだけれど。宝田も杉田もいいボレーだった。特に宝田は軌道を予測して少しバックステップを踏んでいた点やミートの技術も含めてさすが元FWって感じ。
気になるポイントは4-3-3にしてからの攻撃の立ち位置とリスク管理で、アンカー脇が空くからそこにSBを押し上げるのがトレンドだと思うのだけれど、SBがWGの外を回っちゃったときに、インサイドハーフが落ちるのかCBが上がっておくのか、チームとして決まっているのかどうか。攻から守に切り替わったとき、特にクロスが蹴り返されたときなど、そのエリアにボールが落ちることが多いので、もし相手に先に拾われるとカウンターに持っていかれやすい。逆に拾えれば波状攻撃で押し込みやすいというメリットもある。
女子は確実にボールゲームなので、狭いエリアでも間違えなければパスを通せる。83分の中央を割った流れはシステム変更の意味もあったボールの動きだったと思う。
並びにとらわれる必要はないけれど、並びの恩恵とリスクもどこか頭に置いておかないと、それこそ形でサッカーをするだけになってしまいかねない。見ている側もね。