北京入院物語(50)
愛想が悪いのは国際医療部以上と書きましたが、愛想のいい看護師もいて、これまた国際医療部以上でした。
中でも司(つかさ)と書いて、「スー」と読む看護師がいて、彼女は背も高く、私が今まで知っている中で一番の美人看護師でした。
それだけでなく愛想がいいという、一般病棟の看護師にはもったいないくらいでした。
彼女ははじめから友好的で、私がこの病棟にやってきて以降の始めての宿直勤務の晩、夜8時からなんと12時くらいまで、ずーーと私の個室でおしゃべりをしていたのです。
もし私が週刊誌のネタになるような有名人なら
「すわっ!、美人看護師と深夜の密会!」
というような由々しき事態です。
由々しき事態なのですが、私はベッドから1ミリも動くことができませんでしたので、由々しき事態は映画でいうなら「西部戦線異常なし」のごとく、まったくなんの色っぽい展開も進展もなかったのです。
彼女の話は別にして、入院してみると以前いた国際医療部に比べ、ナースステーションの位置が部屋のすぐ横でしたので、いやでもおうでも彼女たちの声や振る舞いが目に入ります。
部屋から出ると、必ずこのナースステーションの前を通らざるを得ませんでしたので、いろいろなことを観察する機会はふんだんにありました。
したがって、今後の北京入院物語は北京看護師物語とタイトルを変えていいくらい彼女たちのことが登場します。
言い訳じみますが、それは私が独身男性の目でみたという、いささか「いやらしーーぃ」視点ではなく、うそっ!とか、えっ!という挙動があまりに多かったために、どうしても書きとどめたかったためです。;;
北京入院物語(51)