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北京入院物語(26)

 いよいよ万里の長城に登ることになりました。
なんで医療記事に旅行のことを書くの?という向きもおられるかも知れません。
ただ、難病の治癒には医療だけでなく、その人の生き方、行動パターンも深く関係することは理解いただけるでしょう。
それに拡大解釈と曲解を2回ほど重ね、少し誤解を加えると、旅行記の中に全治の極秘が隠されていることはもはや当然です。^^;

 前回(平成12年5月)は、登り口付近の駐車場で運転手と両親のお留守番をしていたのです。
この年の統計によれば、北京を訪問する日本人の数は約50万人でした。
そのほとんどが観光客ですが、万里の長城に行きながら、登りもせず、近くの駐車場で運転手と時間をつぶした日本人がどれほどいたでしょう?
おそらく私1人でしょう。
今回は復讐戦です。
なんとしても登らねばなりません!。
私は(大きな声ではいえませんが・・・)そのために北京の病院に入院したのです。
  しかしこの万里の長城は健常者でもフゥフゥ言う急勾配の階段が続きます。
どの位の急勾配かというと、緩やかな部分で駅構内の階段程度、場合により歩道橋程度になり、時に狭い住宅の階段くらいになります。
すべてが階段ではないのですが、通路さえ勾配があり、あちこちに階段があります。
ある人は世界最大のバリアーと書いています。



 それなりの準備がいります。
車椅子を私ごと抱え上げるために、4人の人手が必要ですが、1人の障害者が、4人の健常者を集めるということは、簡単なことではありません。
叶琳に相談すると、知り合いの大学生を紹介してくれました。
以前言いましたが、100元札と1万円札が同じ値打ちです。
ですので、この大学生に半日100元(1500円)払うことで話がつきました。

 北京から一番近い長城は八達嶺長城で、高速道路を利用して2時間ほどです。
専属の車と運転手を雇いましたが、抱え上げる人数に入ってもらいました。
車と専属運転手で400元(6000円)かかりません。
これは叶琳のおかげです。
周さんも同行してもらいます。
これで3人です。
しかし、4人目の目途(めど)はたちません。
これで大丈夫かどうか、最後まで分かりませんでした。
北京入院物語(27)

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