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北京入院物語(48)
東京には「粋」の文化があり、江戸っ子には地方出身者はどこか無粋と映るのですが、この華先生は地方出身のにおいがぷんぷんして、いかにも無粋です。
医科大学を出た熊みたいな雰囲気です(あぁ・・・ひどい)。
中国の病棟は日勤が朝8時に始まり、夕方4時半に終わります。
華先生は毎日朝8時半ころに病室にやってきました。
やってくるのはいいのですが、ノックもせずにドアを開け、わけの分からないロシア語?を話して、ドアを閉めずに帰るという人でした。
この糖尿病病棟の入院患者が30名で、それに対し主任を含め医師が10名位います。
主任以外は担当曜日に診察業務もありません。
といって研究論文を発表しているようにも見えません。
この数ですから1人2,3人の入院患者の主治医になる以外、これといって仕事がありません。
ですから毎日患者の所にやってこれたわけです。
日本のお医者さんというのは、とにかく忙しく、いつご飯を食べたのやら、いつ寝たのやら分からない不規則な生活をされています。
しかし、中国はそうではありません。
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その後、けだるい午後の昼さがり、病院内の散髪屋の待合室で、のんびりと新聞を読み、順番を待つ華先生に出会いました。
(勤務中でもいいのでしょうか?)
北京入院物語(49)