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北京入院物語(49)

  国際医療部と同様、この糖尿病病棟でも驚くことがたくさんありました。
夕方4時半が日勤の帰宅時間ですが、眺めていると看護師長も、トン主任ももちろんほかの看護師、医師もいっせいに帰宅します。
日本みたいに「管理職は部下が帰ってから」というような不文律は一切ありません。

 そんな関係で中央エレベーター4基は朝晩大変な混みようになります。
清潔好きな日本人には信じられないでしょうが、中国のエレベーターに乗って端のほうを見ないことを薦めます。
そこには例の「ぺっ!」がありますし、リスみたいにひまわりの種をおやつにしてその殻が散らばっていたり、弁当の食べ残しが捨てられていたりします。(ね?すごいでしょう)

看護師が夕方4時半に帰宅を急ぐのに理由があります。
病院が看護師のために専用の大型バスを用意し、通勤用に無料開放していて、このバスが定時に出発するためです。



 北京在住の労働者にバス、自転車通勤が多いのは簡単な理由です。
北京市は中心部から順に開発が進み、郊外へ郊外へと宅地が広がりましたが、中心部から半径10km以内にほとんどの人が住めるだけ広い土地があります。
だから通勤範囲が短いために自転車やバスで通勤しているのです。
日本のように電車で片道2時間というような通勤地獄はありません。
北京入院物語(50)

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