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北京入院物語(40)

 私が1ヶ月国際医療部に入院していると、3000元(45000円)ずつ余分にいります。
このままでは、日本海を泳いで帰らないといけないかも知れません。
そんな話しを周さんにしていると、「一般病棟に移ったらどうか?」と言います。
私はその時まで、この病院に一般病棟というものがあるのを知りませんでした。
周さんは、「俺にはコネがあるがどうか?」と何とも言えないような薄暗い顔で持ちかけてきました。

 もはやこの時期には、この周さんがどういう人間であるかはある程度分かっていましたので、その話には乗りませんでした。
無意識に、この人に世話になると後々面倒なことになると感じていたのだと思います。

 私は周さんから手に入れた「一般病棟ならずいぶん安い」という情報を喫茶店でよく出会うS先生にぶつけてみました。
そうすると、S先生は「それなら知り合いがいるので、頼んであげる」と快く聞いていただきました。
 
 一般病棟に移ったのは週明けの月曜日・・・いいえ、中国は違います。
その話をした夕方には、もう一般病棟に移っていました。
説明をしましたが、病棟には報奨金制度があります。
「さぁいらはい、いらはい」という事情もあったのです。

 もちろん忘れてならないのはS先生の尽力であり、外国人を受け入れてくれた病棟の主任です。
この2人の配慮がないことには、外国人が簡単に一般病棟には入れないことは明らかなことです。
北京入院物語(41)


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