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北京入院物語(30)

 とにかく毎日遊び歩いていました。
歩いていたというのは事実と違うのですが、とにかく遊んでいました。
北京の南の方に紅橋市場と言うところがあり、淡水真珠が安いことで有名です。
外国人観光客も多く、パールマーケットとも呼ばれています。

 この年の5月に両親と一緒にここを訪れ、売り場にきれいなお嬢さんがいたので、写真を1枚写したものの、渡す機会のないままでした。
ちょうど良い機会でしたので、写真を持ってその売り場に出かけました。

 残念ながら、売り場の様子はすっかり変わり、彼女もいません。
仕方なく安いネックレスを1本買い求めました。
いろいろと見て歩きたいと思っていると、周さんから「疲れたから戻ろう」と催促され、しぶしぶ帰りました。


 翌日、例の按摩が終わった孟先生に「いつもお世話になっています」とそのネックレスを差し上げました。
すると先生は「ちょっと待っていてね」と言い置くと、どこかに出かけて行きました。
戻ってくると「明日から按摩と針は半額にしておきます」とのこと。
とにかく、中国はなにがあっても不思議でない国です。
北京入院物語(31)


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