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イス取りゲームが苦手

私は今期、「ミワさんなりすます」というNHKの夜ドラを見ている。

すっごく簡単にあらすじを説明すると、

昔から大の映画好きであるミワさんが、"神"と崇める国民的俳優・八海崇の家政婦に、ある出来事をきっかけになりすますことになる…

というお話。

そして、ついこの前放送された11話の中で
すごく印象に残った場面があった。


ミワさんがひょんなことから八海様と二人きりで食事をすることになったのだが、すごく楽しそうに大好きな映画の話をするミワさんを見て、八海様が「きっとお友達とも盛り上がるでしょう」と言葉をかける。
その言葉を受けて、ミワさんが一瞬気まずそうにしてぽつりと話し出したのがこの内容で。

子どもの頃、イス取りゲームが苦手だったんです。
みんなで先を争って、席を取り合うのが恥ずかしかったんです。
そこに入っていくエネルギーが無かったっていうか。
私たち世代のやり取りとかSNSなんかも、私には…
イス取りゲームに見えて。
自分を前に押し出すエネルギーがやっぱり無くて。
気が付いたら、私の席はどこにも無かったんです。

その言葉を聞いた八海様は、

それは、座るに値する席なんですかね。

と。そして、

時代に合わせて自分を捻じ曲げて、そこまでして本当にしがみつかないといけない席なのか…
私も俳優をやっていて、いつも悩むことです。
ミワさんには、どっかにもっと相応しい席があるんじゃないですか?

と、言葉をかけていて。

この場面を見て最初に思ったことは、
ミワさんのその例えめちゃくちゃわかるー!!
と、本当に共感しかなくて。


SNSが主流になって、当たり前になって

普段の生活だけじゃなく、ネットでも承認欲求が渦巻いてるこの時代

余計に押せ押せじゃないけど、自分を出していかないと居場所が他の誰かに取られてしまうような

そんな時代になったと個人的に感じている。

周りを見渡してみると、みんなどこかしらの席には座ってるのに、私はどこにも座れず立場のない
ずっと隅っこで立ち尽くしている感覚

でも、だからこそ、八海様の言葉が沁みた。

今はまだ自分の席がなくとも

見つかっていなくとも

きっと自分に相応しい席が見つかる。

どこかには必ずあるはずだ、と。


自分の席を見つけるのは大変。

この社会で。

良くも悪くも自由で、人々の良識が試されるようになったこの時代で。

イス取りゲームに参加するのは気力も体力もめいいっぱい必要だが、

時間がかかっても

自分なりにいつか座れる日がくるのかな。

くるといいな。

その時は、もっともっとみんなが笑顔で溢れる時代になっていて欲しい。

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