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「決して魔法ではない」オンボーディングの心がけ

今回はオンボーディングについて書きたくなった。ので雑にまとめる。

オンボーディングとは、入社した人が活躍できるように、入社後にフォローアップする行動やそのカリキュラムなどのことである。
誰かを採用して入社しても、採用した本人のスキルや自助努力だけでは活躍しにくいことが多い。というのも、組織で成果を出すには馴染むことも必要だし、その組織の文化を知ったり、前提知識を知ったりすることも必要となる。さらに「活躍」には、会社や上司の期待に応えたりする要素があるからだ。

所属先では全社フルリモートになったので、社内広報や人事施策を頑張っており、その中で新しいメンバーが最近増えたので、ちょうどオンボーディングも意識して頑張っている最中である。

雑ながら、私が心がけていることをまとめると以下。


受け入れている姿勢を伝える

まず大事なのは「受け入れているよ」の姿勢。これは意外に、伝えようと思わないと伝わらない。
入社した人はまだ何も知らないし、誰かに聞きたくても誰に聞いていいかわからない。新しい環境や求められているものに対して不安を感じる人もいる。相手が「受け入れてもらったな」と感じられる所作を積み重ねていくのが重要だ。

もちろん社内体制によっては、受け入れが間に合わせになり負荷が高いところもあるだろうが、今後のためにもフロー整備と仕組み化をすることをおすすめする。所作を最適にするだけでも、一定「受け入れているよ」は伝わるものだ。

そしてくれぐれも、「お手並み拝見」モードになってはならないことを書き添えておく。前評判が高く、変革を担う人が入社するような場面で、特に保守的な考え方の既存メンバーにおいて一定発生するので注意する。


会社や上司の期待値と、それを受けての本人の認識を見ておく

先に書いた通り「活躍」には、会社や上司の期待に応えたりする要素がある。どれだけスキルがあっても、期待値と合わないことをやるならば評価につながりにくくなってしまう。

入社当初の活躍は、周りの本人への評価も決めてしまいかねない一方、入社前後の会話が手薄になるとその期待値が伝わってないことが大いにあり得る。
期待値の会話を行っているか、その一つの手段として面談が設定されているかを見ておくと良い。また、採用された人の所作や発言から、「認識と合っていない」違和感を察するようにする。


知識をフォローし、活躍機会を増やす

会社や上司の期待に応えるために必要なのは、業務知識だけでなく、文化や社内知識も必要だったりする。ここは上司だけでなく、人事や広報が積極的にフォローしたいところである。
所属先でもまだ模索中だが、会社説明の場や各種質問の機会を作ったり、「入社した人を囲む」雑談会を計画したりしている。

少しの知識を足すだけで、やれる機会は増える。未知だと踏み出せないけどフォローしたらできることはたくさんあるはず。早く会社に慣れてもらうためにも、より多くの機会を作り、そのための知識をサポートするつもりで。


これらの配慮が全社できちんと回っているかを見ておく

フォローを全て人事広報が担うというのは無理である。整ってなくとも、全員で(と言えるほどの勢いで、多ければ多いほど良い)フォローをするべく、全社見渡してどんな形でも行き届いているかを人事広報が見るようにすると良い。そしてとりわけ足りないところに、ピンチヒッターとして飛び込むのだ。

また、人事広報だからこそセーフティネットを張れるようにしたい。何か困ったら連絡をもらえるような関係を作るということである。まずは、入社した人の困りごとを解決したりして、相談してもらいやすいきっかけを作っていきたいところ。

大半の場合は、やる気を持って入社してくれているはず。わざわざ、自ら(自社から)、そのありがたい火を消してはならない。


前提:魔法のようなオンボーディングなどありえない

オンボーディングも社内広報もそうなのだが、携わっていて思うのは、1つ1つ分解するとなんてことはない、むしろ地味すぎるものしかないということ。

コロナ禍で奮起している会社も多そうで、さらにリモートを取り入れた会社が増えているからか、オンボーディングに限らず社内コミュニケーションノウハウの記事も増えたし、それらの記事を求める声も高まっている印象がある。

オンボーディングも社内広報も、明日全く変わるような魔法のようなことは起こらない。でも何故か皆、魔法を求めるかのように、記事を読んだだけで・サービスをひとつ入れただけで、コミュニケーションが劇的に改善する希望を持ちすぎではないか、と感じることが多い。

ただただ、新しいメンバーを歓迎し、その力に期待し、活躍を願ってサポートし、会社の発展を実現するべく尽力する、それらをただやり続ける。それだけである。オンボーディングと言うと今っぽいが、根本は人の活躍と会社の発展に帰結する。その前提でオンボーディングというフェーズを最適化するなら、むしろコストをかけ、まさに今回書いたようなことを考えるべき、ということである。


所属先で泥臭く取り組んできた社内広報により、まもなく結実しそうな手応えがあるし、ここに書いたオンボーディングも社内広報と同じ発想で行っているつもりだ。
もっと多くの方が、会社が、社内広報によって活躍・飛躍するべく必要な知識ではないかと思えるようになってきたので、引き続き知見をまとめたい。


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