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泥濘の中より生存報告

こんにちはこんばんははじめまして、お久しぶりです、生きています。
ぐちゃぐちゃになってしまった。毎年冬が密やかにやって来て私を呑み込む度に、今年の冬こそ越えられない、だなんてことを凝りもせずに思ってしまう。もっとも、これまでの冬を越せてしまっているから今年の私が吐きそうになりながらこれを書いているのだけれど。

思考はまた霧の中に紛れ込み、私の目は遠近感を失って目眩を起こしている。
何を書きたいのかも分からない。
心の中にふつふつと湧いた自己否定の念が溜まり、ヘドロみたいな悪臭を放っている。何をしていても自分は駄目だなと思う。何を考えていても、自己否定へたどり着く。誰と会話していても、自分の発する声や言葉を可愛げないと卑下してしまい泣きたくなる。絡まってしまって解けない思考を前にして途方に暮れ、停止、途端に私の足元はぼろぼろと崩れていく。何も考えられない私は、私である意味が無い。言葉は文脈を成さない、文章は辿れない、耳は他者の言葉を拾い逃し、知識は定着せずに流れ、自分が酷く醜いものであるように感じる。情けなくて馬鹿で陳腐だ。自分への嫌悪が喉元を圧迫している、吐き気がする。眉頭のあたりが澱んでいて全く健やかな気持ちになれない。

けれどもしかし、どうしようもなく生きていて、よく分からないままに泣いている。

今日は、クッキーを焼きたかった。私のことを何故か好いてくれる恋人を喜ばせたかった。喜ばせられる人になりたかった。薄力粉とバターが足りなくて、買いに行く元気がなくて、シンクの中の食器は洗えなかった。何も出来なくてグズグズと泣いた。以前ならお菓子を焼くことは、自分の心を落ち着かせる術だった。
仕方なく自室の机に座ってみた。PCを前にして、書きかけの卒業制作になる予定の小説を稚拙に思って、また泣いた。
ぐちゃぐちゃの気持ちをどうしようも出来なくなって、これを書き殴っている。以前ならこれで思考が整理されて落ち着いた。書くことは味方だった。
今や書くことすらも味方につけられなくなった、そのことにまた泣いている。

まとまらない頭で、ただひとつ分かることは、どうしようもなく生きているということだ。
涙は体温を孕んでいる、ぐちゃぐちゃで、良くも悪くも生きている。

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