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気温の高い夏には血圧が下がるものらしい。死ぬほど暑い夏の盛りにそれを聞いた時は「だから何なの」と反抗期の小学生みたいなことしか思わなかったけれど、秋が少しずつ顔を覗かせて、涼やかな風に吹かれて脳みその中にこもっていた熱が引くと、それは至極当たり前であることに気付いた。体温を下げようとして血管が拡張するのだ。なるほど、もともと血圧の低い私の血圧も、さらに下がる訳である。 そして今年も漏れなく暑すぎるこの東京で、私は低血圧による目眩でふわふわする頭を持ち上げ、明るくってぴかぴか