空気のような愛を、
子どもの頃のお気に入りの遊びは、開け放した窓から吹き込む風に膨らむカーテンの裾に、ぺたんと座り込むこと。
レースのカーテンが私のからだを撫でるのが気持ち良くって、好きだった。吹き込む風が寄せては引いて、当時行ったことのなかった海を想った。6歳のちいさな肺いっぱいに風を吸い込んではそれを吐き、レースの影を手で掬い、風のにおいで鼻腔を満たし、木漏れ日がきらきらさんざめくのを眺め、時折カーテンのお腹をくぐり抜けて外に出て庭の芝生の緑に触れた。
私の持つなかで、いちばん透明な記憶であ