身だしなみが自己評価80点以上でないと、外出できない病
いつからかこの病を患ってしまった。
私は会社に化粧をしていかない。すっぴんを晒し歩くわけにもいかないので、マスクが手放せない。化粧ができるかどうかは朝の起床時間とメンタルにかかっている。心に余裕があり元気がある時でないと化粧をしていけない。(仕事終わりに友人とおしゃんなお店に行く予定がある場合は、死ぬ気で化粧をする。これ例外。)ストレス解消方法も家に引きこもることなので、休日に化粧をする機会もそんなにない。でもたまにはある。「たまに外出する=化粧をする」ということなのだけれど、「たまに」では化粧の経験値がなかなか積めないのだ。
学生時代はよく一人でカフェ巡りをしていた。お気に入りのお店の開店時間を調べ、空いてる時間を見計らい、何時の電車に乗って何時には家を出ないといけないか。そこまで綿密な予定を頭の中では計画しているのだが、残念ながら頭と体はイコールではない。頭で考えたことが100%体に伝わるなんてことはない。身支度を整え化粧を始める。決してうまくない化粧をできるだけ良くなるよう尽力する。作業の順番として、私は化粧をしてから髪を整える。化粧をしている最中は基本前髪オールバック状態で行うので、化粧後は必ず前髪を濡らしてクセを直さないといけない。濡らした後はもちろんドライヤー。もうすぐ私の病が顔を出すころ。前髪が乾いた後はヘアアイロンで巻き巻きする。ここで自分の顔を鏡でチェック。まっすぐになった前髪の向こうの化粧顔を確認すると、頑張って上げたマスカラが真っ逆さまを向いている。この事実に私は外出ができなくなる。外出できる精神状態じゃなくなるのだ。だがすぐにあきらめるわけではなく、ある程度もがく。マスカラを付けたまつげをもう一度ビューラーで上げてみたり、指の腹の熱でまつげの根元を上げてあげたり、そんなもがきが本来、家を出るべき時間から1時間経過しても続く。そのまた1時間が経過していることもザラにある。完全なる負のループ。私はその日外出できなかった。
作業の順序を変えることはきっと大事。いくらマスカラ下地をつけ、根元から上げたまつげであろうと、ドライヤーの熱には敵わない。また自分のまつげが逆さまつげであることもきっと関与しているのだろう。そもそもビューラーでうまいこときれいにまつげが上がらないのだ。今日は目頭よりのまつげが蜘蛛の足みたいにぐちゃぐちゃになったし。発狂しそうになった。時には全員まとめて上げたはずのまつげが、一人だけ下を向いて抵抗している奴がいたりすることもある。化粧スキルを上げる必要もありそうだ。するなら年相応のちゃんとした化粧をしたい。
微力ながら化粧のスキルは上がりつつあるし、化粧の出来栄えが自己評価80点未満で外出がおジャンになることも減った。が、私が遅刻魔な原因に「それ」が関わっているのだ。今は一人での外出がそもそも減ったため、外出おジャンはほぼないのだが、人との約束の際にももちろん発症するため、9割方私は人との約束に遅刻する。それは化粧の出来栄え(あとは服装もか)が自己評価80点未満であるからだ。
いつでも発症する可能性のある状況下で、仕事のある日に化粧をしていくのはもはやロシアンルーレット。そのリスクもあるので私はマスク通勤をしている。