1.tabi
はじめに
この(うん)コロナの影響で家にこもりがちなのでやってみたかった本の感想文的なものを書いてみることにしました。
今年(2020年)は年間100冊を目標にしているので、その中で面白かったものを抜粋して書いていこうかなと思ってます。ただ、難しい話は睡眠導入としてしか読めないので、ライトな小説に全振りしていくと思われます。
何かおすすめ本があれば教えてください。怖い話以外は読みます。
前置きはこんな感じで、記念すべき1冊目。
原田マハ『さいはての彼女』
皆さんは旅に出たことがあるだろうか。
そもそも旅ってなんだろうか。
この本を読んでそんなことを考えた。
そして色々な国や県に行っている私自身ではあるが、この作品が示す「旅」を経験したことはないなと感じた。
本に関して題名、表紙、作者などを見て無差別に購入するので、手元に届いて裏表紙を見るまで内容がわかっていないのが常であるが、原田マハさんの本を読むのは2回目である。
二つの作品に共通して言えるのは彼女の本を読むと何かしたい。と思わされるということである。
そして何か行動を起こそうと考えている自分自身を応援されているような錯覚に陥る。
それはおそらく彼女の描く女性たちが自分にとって非常に魅力的に、憧れを覚えるように描かれているからではないか。
前回読んだ作品は、平凡なOLが友人の結婚式で見かけた素敵なスピーチを行う女性に魅せられ、一人前のスピーチライターへと成長していく話であった。
今回の作品は旅に関する話の短編集である。
主人公はいずれも仕事やプライベートで様々な問題を抱えた女性たち。
行き先は様々だが旅作での出会いや経験を経て前向きになっていく。
題名にもなっている「さいはての彼女」というのは物語に登場する凪という女性のことであり、彼女はハーレーのカスタムを生業としているほどのハーレー好きである。
彼女にはハンディキャップがあるのだが、それを感じさせない振る舞いと性格によって同じ土地に訪れているハーレー好きの人々とすぐに打ち解けることができ、知り合いも多い。
端的にいえばコミュ力と愛嬌が半端ないのだ。羨ましい
そんな彼女が登場する作品の中では、ハーレーが大好きな人たちが醸し出す空気のことを「気持ちのいい風が吹いている」と表現している。
スピードを出して地平線に向かってまっすぐな道路を走っている時の疾走感や爽快感が浮かんでくる。
想像するだけで叫びたくなるような気持ち良さである。
正直今までは、やっと車の運転が板についてきた程度の私にとってバイクなんてっ別に、、と思っていたがこうしてバイクで走っている時のことを事細かに想像するとバイクかっこよくね?と簡単に心変わりしてしまう。
そして、本気でバイクが好きで仕方ない人のことを見ると危険を顧みないほど夢中になれることがあるっていいよなとも感じる。
それを好きな人にしかわからない世界を理解してみたいと考えてしまう。
(趣味なんてそうやって決めもんじゃない気がするけど)
好きなものに対して熱くなっている姿を見ることは好きだ。
自分が、誰にも負けないくらい好き!とかこれだけは譲れない!っていうものがないから尚更。
好き、というか羨ましいって思ってしまう。
きっとこれから先もオールマイティーに何でも好きで守備範囲広い人間でいるんだろうけど、高校生の部活みたいに夢中になれること手に入れたいなとも思う。
ないものねだり。ってそんなことも考えた。
家にこもりがちなこんなシーズンにこの本を読んだのは正解だったような、不正解だったような。
でも、いい気分転換にはなるのでオススメしたいと思い、記念すべき1冊目に選んだ次第。
(本当は他にも2冊候補があったんだけどうまくまとまらなくてこうなった。)
夏になったらどこか遠くに長期滞在できるようになるだろうか。
沖縄はもちろんだけど北海道にも行きたくなった。
そうだ、二輪免許取ろう。
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