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『青春18×2 君へと続く道』

ぼくは正直恋愛映画に関しては、アレルギーを抱いている。
だって、現実はドラマティックじゃないし、恋に夢見る年ごろでもない。
いまさら、本格的な恋愛をみたところで時間のムダとさえ感じてしまうかもしれない。

そんな心配すら本作の前では消え失せてします。
きのう、映画『青春18×2 君へと続く道』を劇場に観に行ってきた。
なんとなくぼくの耳元まで評判が届いていたし、たまには恋愛映画を観るのもわるくない。
最近、女優の清原果耶ちゃんのことが気になっていたし、まぁ、観るか。
前情報を一切シャットダウンして、劇場へと向かった。

上映開始。
ポップコーンをモグモグたべながら、目の前に流れる光景をただただ眺めていたのだけど、清原果耶ちゃん演じるヒロイン"アヤ"がとにもかくにも魅力的すぎる。裏表なくじぶんに正直でハキハキと屈託なくわらう姿はかわいい。いままで清原果耶ちゃんが出演する作品は何作か観てきていたけれど、ここまでの演技はだったとは。まるでヒロイン"アミ"そのもの。
気づけば、ぼくは作品に没頭していた。これが前半。

後半は緻密に構成された物語に引き込まれる。
明かされる真実。それを前に思わず反応してしまう主人公。
もちろん、ぼくも。まるで手品のタネ明かしのようにキレイに描かれる物語を前に気づけば嗚咽を我慢するほど涙が流れてしょうがない。

本当は恋愛映画アレルギー。
かくいうぼくがなぜこうも引き込まれたのか。
それは物語自体がもつ"説得力"にあると思う。
物語はよくある話でバックパッカーの女の子が旅先でひとりの台湾人の男の子と出会い、生活をともにする。
その18年後、主人公の台湾人はバックパッカーの女の子の軌跡を辿って、彼女に会うため日本各地を巡る。
18年前と現在。過去と現在が回想というかたちで織り交ぜられて語られてゆく。
ここには劇的なドラマティックな展開は存在しなく、男女ふたりの恋とも呼べない関係を丁寧に描いていく。
その丁寧さ、リアルさこそがうまく機能しているのだと感じた。
ぼくも自然と物語を受け入れられ、物語の世界に魅了されてしまったのだから。

と、まあ勢いにまかせて書き殴ってみた。
だってそれくらいいい作品だったし、多くのひとにもっともっと観てもらいたいから。
メジャーな作品に生まれがちだし、地味な作品だけど、本当の意味で心がほだされる恋愛映画はそうない。

だからこそ、世の自称映画フリークのみなさん観にいきましょう。
まだまだ遅くないですよー!

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