人生は偶然の連続なのかもしれない
お堅いタイトルになりましたが、ぼくはずっと人生はドラマだ。なんてずっと考えてきたし、自分で描いてきたと自負があった。
けれど、ひとから聞くにどうやらそうでもないらしい。先日、縁があって社会学者の中島岳志さんの講演を聞きに行った。テーマは「生きづらさ」について。ちょうどぼくが絶賛抱えている問題である。ぐぬぬぬ。
講演は全体通しておもしろかったし、初耳だった話も聞きたかった話もまるっと聞けて大満足。なかでも、印象にのこっている話があって、人生は偶然でなりたっている。ということ。
自分の人生はぜんぶ自分でつかみ取ってきた。けれど、よくよく深掘りしてみれば、ぼくも単なる偶然の導きでいまのいままで生きてこれただけなんじゃないか。
なんとなく映像をはじめて、チームワークに行き詰まり写真をはじめた。で、なんとなく方々に写真やっていると吹聴していたら、バンド関係者から声がかかって専属カメラマンに。一方で出版にも興味があったので、たまたま見つけた求人に応募してみたところ採用。この職場でもエンタメに興味があると吹聴していたら、たまたまライターの仕事をしている同僚からウェブメディアのライターの仕事に誘われた。
ウェブメディアの仕事に忙しなく流されるように仕事をしていたら、「写真もいいよね」と言われてカメラマンとしても活動するように。で、ちょっとあとくらいに大型音楽フェスでカメラマンを募集していたので、なんとなく応募してみたら採用。
うーん。振り返ってみるとどれも偶然の連続。就職もせずぶらぶらしていたところ、観光カメラマンの求人をみつけて応募。倍率高かったけれども、なぜか受かってしまった。受かったからにはやるしかなくって、自分の現場だけじゃなくほかの現場にも駆り出されて。通常の観光カメラマンじゃなく、スポットのイベントカメラマンをした。それと同時に自然と良くしてくれる仲間も増えていって、仕事をやめるころには人の紹介でつぎの仕事が決まっていた。
インフルエンサーが社長のファッションビジネスの会社。初っ端からスタッフを統括するマネージャー兼デザインチームのリーダーに。正直、プレッシャーも大きかったし、やっている仕事もまさに命を削っているようで、深夜残業あたりまえ。毎日日の出を見ながらタクシーで帰った。
社内のゴタゴタがあって、困っていたら取引先企業の社長が拾ってくれた。言われるがままに前職で得たノウハウと過去とある編集者のアシスタント経験を糧に自分なりにがむしゃらに働いた。
ちょっとニッチな商売だから先輩なんていなかったから、企画書つくってはリライトして何度も何度もいろんなインフルエンサーさんや芸能事務所に送っていたっけ。
努力が功を奏したのかしばらくして案件が決まった。確信を得ていろんな先々に売り込んでいった。それからは無我夢中で生活を切り売りして働いてきた。
これらは全部意思によるものなのだろうか。否、たまたまラッキーだっただけ。偶然の産物でしかなかったのかもしれない。
と、ぼくは中島岳志さんの講演を聞いて思った。人生なんて意図してもそううまく行くことはない。だからこそ偶然に身を任せて生活するのもいいんじゃないか、と思った。
で、ぼくはといえば絶賛無職。人生の第三ステージを手にするべくがんばってます。自分ひとりで就活するには限界があってエージェントさんのお世話に。だまされたくらいの気持ちではじめているけど、これが報われる日が訪れるといいな。
無事に就活決まった暁には盛大にパーティをやりたい。なんてね。