見出し画像

こどもの入院で感じた事(過去記憶)①

子どもが1歳の頃、この子は脳腫瘍かもしれません、と言われて入院した事があります。

その日の晩、酸素と点滴につながれて、モニター音だけが響く病室の中で、この子は一体何のために生まれてきたんだろうと思うと、にじみでてきてしまう涙をひとぬぐいして、

けれども、これ以上に大きく泣いてしまえば、そうであると認定してしまうような不安が気丈にさせ、それ以上は泣けない複雑な自分がいました。

翌日になれば詳しい検査がなされ、はっきりするのだけれど、ずっと病室でモニター音を聞き続け、我が子の姿をみていると、自分だけフリーズして、白黒の世界にいるような、その翌朝までの時間はとてつもなく長かった。

そうだ、水分だけでもとらないと。

そう思って病棟内にあるコミュニティルームに向かい、お茶がでてくるのをまっていると、とある女性が声をかけてきたのです。

心配ですよね、大丈夫ですか?でも、大丈夫だから。

と。

我が子は1人部屋。何も語ってないし、私も泣いているわけではない。わかるとすると、空室だった1人部屋に誰か入ってきたという事、見かけないお母さん(私)がいること、ただそれだけでした。

けれど、私の表情はどんなだっただろう。。自分では気丈なつもりでも、きっと、その女性には読み取れた不安。それに対して、いてもたってもいられず声をかけてくれていたのです。

翌日、検査で、、と返す。

そうでしたか、心配だけど、なにがあっても大丈夫だから。

糸が切れたように、涙が溢れました。

(②は続く)








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?