教師の常識、世間の非常識
よく言ったものです。
教員の世界では常識として成り立っていても、世間ズレしている。
そんな教師の非常識あるあるコーナーです。
noteを書いていて、どうも偏見100%の記事となりました。
ですが、あえてそのままリリースします。
現場の先生が感じている雑感として捉えていただきたい!
1.勤務時間に対する意識が低い(ていうかない)
最近こそ、「働き方改革」の名のもとに仕事を減らす、仕事内容を精査する、という動きがあります。
ですが、未だに勤務時間外に「当然やらないと回らない仕事」が発生します。
そりゃあ、実店舗だって勤務時間外にオープンの準備をしたり、閉店後に仕込みをしたりするかもしれません。
勤務開始30分前に出社するのが常識、という考えもわかります。
ですが・・・
教員は残業代が出ません。
なぜなら、法律にそう書かれているからです。
給特法という法律がありまして、基本的に「残業代を出さない代わりに、基本給の4%を支払います、というもの。
中には、残業代が認められる要件が4つあります。
これらは、校長が命じることができ、それに対して残業代が出ます。
ですが、それ以外の仕事は校長が「命じていない」仕事となるわけです。
例えば、テストの丸付け。
子どもが下校完了するのが3:30だとして、勤務時間が4:45までだとします。
そして、4:00〜4:30が休憩時間となるわけです。
つまり、じっしつ勤務時間内でテストの丸付けができるのは、45分間しかないわけです。
40人学級だとしたら、テスト1枚の丸付け、帳簿への記入などの業務を遂行するのに、どんなに頑張っても30分はかかります。
それでも、1枚のテストに対して1分以内で丸付けをしなければならないということになります。
成績は当然大切なものですので、手を抜くわけにはいきません。
だとしたら、私達教員の勤務時間内でできる事務仕事は、テストの丸付け1つくらい、ということになってしまいます。
ですが、当然ですがテストって何枚もあるわけです。
宿題の丸付けや授業中のワークシートの添削もしたら、そりゃあ膨大な時間がかかってしまいます。
だから、ほぼ残業前提の勤務内容となっています。
例えば私が教職をしていたときの事例を挙げますと、
とします(実際はこれより多いですが!)。
さて、先程お話した、基本給の4%の残業代についてですが、
明細上の名目は「教職調整額」となっています。
これが、だいたい13,000円です。
そもそもシステムからしてこの感じ。
これでもかなり、かなーり控えめに算出しましたので、実際はもっと残業代は低いです。
このことに対して、教員もあまり自覚しておらず、「そんなこと言っても仕方ないよね」という感じです。
もっと異を唱えてもいいのかなって思います。私は明確に唱えたい。
このような状態ですので、教員ももっと自分たちの人権意識を高めていきたい。
そう考えています。
私達は教員の仕事に誇りを持っています。
大切に考えています。
その働いている時間に値段をつけるとしたら、433円ですよ。
そんな状況なのにニコニコして、
「お金じゃない。私達は理念をもって教育しているのだ」と。
「そんな野暮ったいことを言うなんて、教員の風上にも置けない」と。
そんなふうに思われてしまうのです。
私はアウトローですので、別に嫌われようといいんですけど・・・。
おかしいと思いませんか?
2.化石の価値観
コロナ禍で多くの学校行事が中止になりました。
ある意味、淘汰されていった、とも言えます。
コロナを過ごし、学校行事が多すぎたことを痛感しました。
そして、必要のない行事はどんどんなくせばいい。そう感じました。
ただ、今はもう以前の状態に戻っているようです。
せっかくなくした行事が復活しています。
しかも、コロナ禍なので以前以上の工夫と手間をかけて。
バージョンアップして戻ってきた、というわけです。
毎週、集会いりますか?
いらないですよ。
準備も大変ですし。
なのに、復活している。
運動会。
スリム化されてきましたが、保護者からも、教員からも「以前の状態でみんなで集まってワイワイやりたい」という声があがります。
コロナ前がよくて、コロナ後がだめ。
前に戻す。
そういう発想は、私にとっては「化石の価値観」です。
コロナを機に、自由な発想でイノベーションを起こしていかないといけません。
せっかくテレワークも増えてきたのに、都心部では最近はまた朝の満員電車が戻ってきていると聞きます。
日本は変わらない。変われない。
きっと、こんなnoteだって、文科省にはいい顔されません。
子どものことを第一に考えるのは、教育者として当たり前です。
ですが、過去のやり方が最も優れていると、なぜ言い切れるのでしょうか。
ピンチはチャンス。
ピンチをチャンスに変えられないのなら、沈みゆく泥舟に乗りながら「いつか浮かんで急激にスピードを上げ、新天地にたどり着くことを神に祈る」状態です。
あと、教員は勉強をしない。
通勤中のサラリーマンの皆さんのほうが、本を読んだり新聞に目を通したり、勉強しています。
とにかく古い。
勉強しない。
新しい取り組みをするのはいつでも若い先生です。
どんどん新しい発想で仕事をすればいい。
「タブレットなんて使うな。原稿用紙に2Bの鉛筆で書かせるんだ。」
「インターネットを使うな。調べ学習は本でやるのだ。」
「40年間、同じ教材を使い続けている。なぜなら、普遍の価値があるからだ。」
私は何でもかんでも、新しいことをするべき、と言いたいわけではありません。
国語といえば「ごんぎつね」に「大造じいさんとガン」。
道徳といえば「窓ガラスと魚」。
決まりきったものの良さもあるでしょう。
でも、それだけではだめです。
私達教師は、時代の最先端を行きたいものです。
だって、次の時代を生きるのは私達教師ではなく、今目の前にいる子どもたちなんですから。
その子どもたちが時代の最先端を生きている。
その事実を忘れてはいけないと思うんです。
未来を生きようとする子どもたちに、古い大人たちが薄汚れた価値観を押し付ける。そんな日本に未来はありません。
3.YouTuber嫌い
学校の先生は、YouTuberを認めません。
サラリーマンを認めます。
なぜなら、サラリーマンはきちんと収入があり、世間的にも一応認められた職業ですし。
方や、YouTuberは何をしているのかわからない。ふざけた動画を出して生活している。そんな意味不明な人種になってほしくない。
そう考える先生がいます。
ですが、今やYouTuberは子どもに大人気です。
子どもの世界において、私達大人が思うより深くYoutubeやTikTokの影響があります。
子どもが何か調べたいことを検索するときには、Youtubeを使って検索するんですよ。検索エンジンといえばグーグルやヤフー・・・という時代もまた終わったのです。
不可逆的。もうこの流れは止められません。
昔はほら、PTAとかが「不適切だ」と言ってバラエティ番組がやり玉に挙げられたりしましたね。
昔みたいに、みんなドリフターズを見て笑っている時代は終わったのです。
だとしたら、わたしたち教師は古き良き時代の価値観に合わせるのか?
それとも、新しい世代に迎合していくのか?
…私は後者を選びます。
ただ、「迎合」ではなく、「適応」です。
教師は、常に最先端の価値観、最先端の世界情勢、科学技術やトピックスに注目していくべきです。
こんな偉そうなこと言って、私自身がそうではないと自覚しています。
だからこそ、これは自戒を込めて言いますが、「時代遅れの古い教師」にならないようにしたい。そう思っています。
Youtuberの収益構造の殆どは広告費です。
ですが、やっていることはテレビのCMと同じわけです。
テレビの番組が有益で、YouTuberが無益。
そんなこと、あるはずないですよね。
世間ずれしたくないですね。
経営難だったUSJをV字回復させた盛岡毅さんが以前テレビに出演していました。
そのときには、若者対象のテーマパークを再建するにあたり、若者を徹底的にリサーチしました。
若者が見ているテレビや雑誌
若者が楽しんでいるゲームや漫画
若者が聞いている音楽
当時はAKBの時代だったので、徹底的に聞いたそうです(うろ覚えなので間違っていたらすみません)。
わたしたち教員も、リサーチってめっちゃ重要です。
子どもが見ているテレビがなぜ人気なのか。
白熱しているゲームは?
今人気のYouTuberは?
そういうところに敏感にアンテナを張ることで、児童理解の一助となると私は考えます。
結論:思考停止は死
わたしたち教員は、日々子どもに「授業をして」「学校の仕事をして」「休日を楽しみに平日を耐える」。
そんな仕事だと思っている教員が多い気がします。
わたしは特にこれから先生となる若い皆さんに言いたい。
「思考停止は死である」
労働時間の問題も、古い価値観も、最先端のメディアやデバイスも、ぜんぶ思考停止で日々を過ごすところに原因があります。
わたしたち教師は、思考停止してはいけません。
常に人権意識を持ち、自分の人生の時間を投げ売りしない。
常に価値観をアップデートしていく。
そして、子どもが接している世界を認識し、子供目線で世界を視る。
これが、私からみなさんへの提案です。
若者よ、大志を抱け! そして広い見識をもち、柔軟な思考ができる教師になってください。
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